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仕組みの外側  作者: Svolik
第二章
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第十七章

この頃になると、二人の間にはもはや慎重さを必要とするものは残っていなかった。境界が消えたわけではない。ただ、それがはっきりと認識され、恐れる対象ではなくなっていただけだった。リラはもう、自分の言葉や触れ方が許されるかどうかを確かめたりはしなかった。思ったままに触れ、思ったままに言葉を選ぶ。その率直さには挑発もなければ、何かを壊そうとする意図もない。ただ自然だった。そして彼は、最初こそ警戒したものの、いつの間にかそれを受け入れていた。


彼自身も変わり始めていた。すべてを常に制御し、分解し、判断するという状態から、わずかに外れる瞬間が増えていた。もちろん必要とあれば、すぐに思考へ戻ることはできる。だが以前のように、それが唯一のあり方ではなくなっていた。いくつかの瞬間において、彼はただその場に留まり、感じることを許していた。


それは不慣れで、そして危うかった。


だが同時に、長く失っていたものがそこにあった。理由を必要としない感覚。存在しているという実感。それは目的にも義務にも結びついていない、純粋なものだった。


彼はまだそれに名前を与えなかった。


だが、距離も取らなかった。


リラの変化は、それよりもずっと明確だった。最初の頃、彼女は静かで、存在を薄くするように振る舞っていた。それが今では違う。動きに迷いはなく、距離の取り方も自然になっていた。彼女はもう「そこにいていいか」を確かめない。ただそこにいる。


それは小さな仕草に現れていた。通り過ぎるとき、理由もなく彼の肩に触れる。わずかに指を残してから離れる。その行為に意味はない。ただ、そうしたいからそうしているだけだった。


そして何より、言葉が変わった。


最初は遠回しだった。探るような言い方。どこまで踏み込めるのかを測るような。


だが、それも長くは続かなかった。


ある夜、彼が訓練を終え、意識を切り替えようとしていたとき、彼女は自然に近づいてきた。距離は曖昧ではなく、最初から近かった。彼の前で止まり、そのまま見上げる。


「今夜も、あなたが主導するの?」と彼女は言った。


穏やかな声だったが、含みは明確だった。


彼はわずかに視線を細める。


「どうしたい?」


彼女は口元をわずかに緩める。


「もう、わかるでしょ」


さらに一歩近づく。


「今日はね…遠慮はいらない」


指先が彼の胸に触れる。


「ちゃんと奥まで来て」


短い間を置いてから、さらに続けた。


「限界まで」


彼はすぐには答えなかった。その言葉自体ではなく、それを言う彼女の自然さに、ほんのわずか思考が止まった。


ほんの数日前まで、彼女は言葉を選んでいた。


今は違う。


だがそれは無理をしている様子ではなかった。むしろ、本来の位置に戻ったように見えた。


彼は一度だけ視線を外す。


「調子に乗るな」と静かに言った。


だが、その声には拒絶はなかった。


彼女は引かない。ただ、わずかに笑う。


それで十分だった。


彼の側もまた変わっていた。訓練は続いているが、その意味はすでに変わっている。彼は教えられる立場ではなくなっていた。必要なものは取り込み終え、残っているのはそれらを自分の中で繋ぎ直す作業だけだった。


戦いにおいては、それが最も顕著だった。動きを考える必要がなくなり、判断と身体の反応が分離しなくなっていた。間が消え、すべてが同時に起きるようになっていた。


魔法も同じだった。決められた形式をなぞるのではなく、自分にとって最も自然な形を探す。そのやり方は周囲から見れば異質だったが、結果は明確だった。


いつの間にか、誰も彼に指示を出さなくなっていた。


その必要がなくなっていた。


そしてその夜、彼はふと、別のことを考えていた。


魔法についてだった。


これまでのやり方はあまりにも単純だった。火を生み、力をぶつけ、防御を張る。どれも理解しやすく、扱いやすいが、その分だけ発想が固定されていた。与えられた形をなぞるだけで、本質には触れていなかった。


もし魔法が「属性」ではなく「作用」だとしたら。


その瞬間、考え方そのものが変わる。


火を生み出す必要はない。ただ温度を上げればいい。空気を動かす必要もない。ただ圧力を変えればいい。対象を押す必要もない。速度を与えればいい。


発想は単純だったが、そこから広がる可能性は、今までの比ではなかった。


彼の思考は、そこで止まらなかった。


血液を加熱することは可能か。外からではなく、内側から。心臓や肺といった重要な部位に直接影響を与えられるのか。


あるいは、石のような単純な物体に強い加速を与えれば、それはもはや武器の域を超えるのではないか。通常の魔法防御は、それに対応できるのか。


さらに視点を広げれば、空気そのものに手を加えることもできるはずだった。酸素の濃度を下げれば、戦う前に呼吸が奪われる。直接攻撃する必要すらなくなる。


その考えに至ったとき、彼は一度だけ意識的に思考を止めた。


できるかどうかではない。


やるかどうか。


その違いが、ようやく意味を持ち始めていた。


そのとき、隣でリラが静かに動き、何も言わずに彼の胸へ手を置いた。無意識の仕草だったが、それは彼の思考を現実へと引き戻すには十分だった。


彼は彼女を見た。


力を抜いた表情。最初に見たときの緊張はもうなく、呼吸も落ち着いている。その姿を見ながら、彼の中で別の問いが自然と浮かび上がる。


この世界における魔法の限界は、技術ではなく、代償によって決まっているのではないか。


彼はすでにそれを見ていた。


強力な術には、犠牲が伴う。


女性の命。


それは例外ではなく、前提として存在している。


だとすれば、本当に考えるべきなのは、どこまでできるかではない。


どこまでなら、その代償なしで到達できるのか。


そして、その境界は固定されたものなのか、それとも押し広げることができるのか。


思考はさらに別の方向へと流れていく。


破壊ではなく、再生。


単なる治癒ではなく、変化。


年齢。


肉体の状態。


時間そのもの。


それらに干渉することは可能なのか。


彼はゆっくりと身体を後ろへ預け、視線を天井へ向けた。


考えはまだ途中だった。


結論を出す段階ではない。


だが確かに、何かが動き始めていた。


それは一つの答えではなく、いくつもの可能性が静かに広がっていくような感覚だった。

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