第七話 播磨竣工
昭和14年10月、待ち望んだ播磨の竣工の日である。進水式後に国際環境が変化し、ビスマルク級の登場によってエスカレーター条項が部分発動したことで播磨は予定された姿と異なる、強化された姿を洋上に浮かべている。
進水式後に設計変更が入り現場は大慌てのてんやわんやだったものの、もとより将来的な載せ替えを想定された設計だったこともあり概ね順調に進んだ。主砲として新たに搭載されたのは新型の九四式38センチ51口径3連装砲である。この砲は850kgの砲弾を最大射程35kgで届かせることができ、貫通力は長砲身高初速の甲斐あって長門型と同様のレベルを維持している。初採用となった3連装砲は発砲遅延装置を組み込んだことで発砲のタイミングをわずかにずらすことで砲弾同士の干渉を低減している。
艦橋トップには大型の光学測距儀を備え、4基の主砲を一元化してコントロールする。目を下げて艦橋サイドには計画された副砲の姿はない。主砲の大口径化に伴って速力を維持するために思い切って装備されなかったのだ。そのかわりに、高角砲配置が見直され、2基増やして12.7cm連装高角砲8基となった。バランスよく配置したことで全周に渡って4基8門を志向できる今までの戦艦と一線を画すものである。
高角砲に挟まれて大型の湾曲一本煙突、夕張の煙突を拡大したような外見に、後方には後部艦橋が控える。
後部艦橋から後方を睨む38センチ砲2基、艦尾に向かっての甲板は平坦で、水上機移動用のレールが設置され、最後端にカタパルトとクレーンが置かれている。
播磨型二番艦も美濃と命名され既に進水式を終え、播磨同様の修整と共に最終艤装に入っている。三番艦、四番艦も起工され、それぞれ呉、横須賀で建造が始まった。
また、播磨の完成を受けて戦艦金剛は退役することになり、非武装化の工事を受けてしばらくは港に係留されることになる。
播磨型戦艦一番艦 播磨 要目
全長:225メートル
全幅:31メートル
基準排水量:37,500トン
満載排水量:43,000トン
機関出力:160,000馬力
最大速力:29.5ノット
兵装
主兵装
15インチ三連装砲 ×4基(計12門)
12.7センチ連装高角砲 ×8基(計16門)
25ミリ三連装機銃 ×10基
航空兵装
カタパルト ×1基
零式水上観測機 ×1機
零式水上偵察機 ×1機




