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第四話 播磨型戦艦の詳細

 艦型は、従来の戦艦に見られた量感のある船首ではなく、巡洋艦的な細長い艦首形状を採用している。水線から立ち上がる船体は滑らかに伸び、速度を重視した設計であることが一目で分かる。

 前甲板には、十四インチ三連装主砲二基が階段状に配置され、その直後には、かつて比叡で試験的に導入された塔型艦橋がそびえ立つ。この艦橋は、今までの日本戦艦の増築を重ねた姿とは一線を画する、史実における大和型の一回り小さくしたような新しい印象を与えるものだ。艦橋後方には、湾曲した一本煙突が設けられ、さらにその後方にマストが続く。煙路と指揮構造物を集約したこの配置は、艦内区画の短縮と防御集中を狙った結果である。

 煙突左右の舷側には、最上型巡洋艦と同系統の十五・五センチ三連装副砲が甲板直置きで配置されている。

副砲の後方、高所にまとめられた区画には、シールドを持たない十二・七センチ高角砲が六基集中配置された。この配置は、新世代戦艦として対空火力を重視した結果であり、反対舷への射界も考慮されている。

 艦中央部から後部にかけては、小型の後部艦橋が設けられ、その背後に主砲二基が艦尾方向へと空を睨む。さらに艦尾には、航空機運用設備と対空機銃が集中的に配置された。

その外観は、重厚さを誇った長門型とも、旧式ながら威容を保っていた扶桑型とも異なる。

「速さと火力を前面に押し出した、新しい戦艦」

そう評されるにふさわしい、

日本海軍戦艦としては一線を画す姿であった。




主要目(設計確定時)

全長:225メートル

全幅:31メートル

基準排水量:34,000トン

満載排水量:40,000トン

機関出力:160,000馬力

最大速力:29.5ノット

兵装

主兵装

14インチ三連装砲 ×4基(計12門)

6インチ三連装砲 ×2基(計6門)

12.7センチ連装高角砲 ×4基(計8門)

25ミリ三連装機銃 ×10基

航空兵装

カタパルト ×1基

零式水上観測機 ×1機

零式水上偵察機 ×1機

いずれも露天係止で運用される


 昭和11年初頭の第68回帝国議会でこの新戦艦は予算成立し、同年9月呉海軍工廠において起工、昭和12年に進水式を迎え、「播磨」と命名された。

 進水式には政府閣僚や高級軍人、地元選出国会議員に地元財界有力者がそろって出席し、呉にとって久しぶりの戦艦建造を祝った。呉の造船業にとって軍縮条約により戦艦新造がキャンセルされたことは世界恐慌に匹敵する大打撃で、突然お上からの仕事が途絶えた人々にとってまさに救済であった。そのため呉を挙げてのお祝いムードで、播磨は戦艦としてはかつてなく祝福される生を受けることになったのである。


 しかし、その裏で国の運命を揺るがす大事件も発生していた。陸軍青年将校と、条約に反発する海軍艦隊派の一部が結託した二・二五事件である。

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