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スキルで紅茶を作ることができるようになった。凄く嬉しい。味はダージリンに似ていてとても美味しい。でもスキル産の紅茶は売るつもりはない。お父様が激務過ぎるし、茶木から育てるのは大変だ。当分は領主館で消費するのみ。それに、もう本当は普通に紅茶も購入できるだけの余力はあるのだ。ただ貧乏が長かったので紅茶を買うのは贅沢っていう気持ちが先に出て、なかなか買えないのだとお母様が苦笑される。その点、スキル産の紅茶だと安くて美味しいから、いいかっていう感じで楽しんでいる。


今日もお母様とフレイヤお姉様と紅茶を飲みながらクッキーを食べながら、春に売り出す藍染の製品開発の話をする。小さなぬいぐるみ、花のコサージュ、刺繍入りのハンカチ、ポーチ、スカーフ。

フレイヤお姉様は刺し子の模様もすべて覚えられた。今は自由自在だ。

「花のコサージュは藍、赤、黄色、黄緑色、オレンジ、ピンクと全色展開がしたいわ。」

「フレイヤの草木染のシリーズはどの色も優しくて綺麗で素敵だと思うわ。でも、この春、辺境伯様が藍で勝負するっておっしゃっているから、藍を前面押しして、他の色はゆっくり後出ししましょう。」

「お母様、残念です。」

「大丈夫ですよ、フレイヤ。藍染をはじめ、染めのご披露はこの春からのスタートだから、この先、ずっと飽きられずに売るためにも、切り札は残しておくって言うでしょ。勝負はまだまだこれからですよ。」

「はい、お母様、いつでも勝負できるように、綺麗な色をたくさん作りだしておきます。」

「ええ。これからも楽しみですね。まずは藍で勝負しましょう。」

「お母様、フレイヤお姉様、藍で勝負するなら、これなんかどうでしょう?」

「アスタ、これはボタン?キラキラしていて、とっても綺麗だけど何から作られているのかしら?」

「お母様、これは貝殻です。先日、辺境伯様の定期便で届けてもらった貝殻で良いものがあったので、村の細工職人に頼んで作ってもらったのです。」

「まぁ貝殻なの?それがこんなに綺麗に光るの?」

「ええ、フレイヤお姉様、貝殻を磨くときらきらした部分が出てくるものがあったので、それが綺麗だったので、藍に合うかなと思ってボタンにしてもらいました。」

「藍にこのボタンは合うわ。素敵だわ。アスタ。このボタンはたくさんあるのかしら?」

「まだ10個ほどですね。」

「ねえ、アスタは最初からボタンを作るために辺境伯様に貝殻を頼んだの?」

「ううん、違います。貝殻は乾かして砕いて肥料にしようと思ったんです。どこかの本に肥料にできるって書いてあったのを思い出して、廃棄する予定の貝殻で作ることができるみたいだったので、いただいたのです。」

「あ、アスタは肥料の担当だものね。いろいろ勉強しているのね。」

「へへへ。貝殻のカルシウムという成分が土に良いみたいなのです。前に醤油の試食会した時に貝の浜焼きした時の貝でお試しで作ってみて、お父様に鑑定していただいたら、良い肥料になるってわかったので、辺境伯様には多めに廃棄する貝殻を届けてもらったのですが、大きな貝殻はきらきらしている部分があったので、肥料にするのが勿体なかったので、ボタンを作ってみたんです。」

「辺境伯様には肥料にするってお話はしたの?」

「ええ、何に使うのかわからないとゴミを欲しがるやばい人になるので、乾かして砕いて土に混ぜるといいらしいっていうのも一緒にアルヴィン様のお手紙に書いておいたので大丈夫でしょう。あ、貝ボタンは作るって書いていませんでした。辺境伯様に説明いりますか?」

「そうね。いるでしょうね。きっといるわ。次の便に出来上がった貝ボタンと一緒に送っておくのね。」

「わかりました。お母様。」

「アスタ、本当にこの貝ボタンは綺麗だから、ボタンにできる貝殻、また辺境伯様にお願いしておいてね。」

「そうですね。フレイヤお姉様。廃棄する予定の貝殻ならまた下さると思います。貝ボタンと一緒にお願いしておきます。」

「ええ、このボタンの部分をお花の形にしてもらえれば、とっても可愛くなると思うの。今から楽しみよ。」


この後、廃棄する予定の貝殻が再度欲しいと依頼し、貝ボタンも一緒に送って、肥料にもボタンにもなる旨、お伝えしておいた。肥料にする予定のものは既に割れているものでも良いこと。ボタンになるのはアワビや白蝶貝、黒蝶貝、アコヤ貝とか虹色の光沢があるものが素敵な貝ボタンになると追記しておいた。

辺境伯家ではゴミがお金になると絶賛してくれたそうだ。藍のドレスを監修しているご長男さんのお嫁さん(アルヴィンのお母様だ)が、辺境伯領の指物師に至急作成を依頼したとか。虹色に光るボタンは、今まで木か貴金属しかなかっただけに、人々から興味を持たれ、お洒落だと人気が出たが、その材料は謎なままで、しばらくは辺境伯領が独占販売したらしい。まぁうちには情報提供料が密かに入ってきたけどね。


スキル産の青い布はお母様とフレイヤお姉様にどーんとお渡ししておいた。初めて見た時、なんて綺麗な色の布なんだろうって思っていた青い布。これがもう少しで売れるようになるなんて嬉しい。

お父様が領民で藍を育ててみたい人を募集するって言っていた。春には藍で染めた布が村で作られるようになり、風でたなびく様子がたくさん見られるようになるだろう。

夢にまた一歩近づいた気がした。



【今日のスキル】

レベル     31

畑       96面

栽培できるもの 小麦 トウモロコシ 大豆 カボチャ サトウキビ 菜の花 きゅうり 人参 綿花 ジャガイモ トマト 玉ねぎ レタス 茶葉


工房      飼料工場…鶏の飼料、牛の飼料、ミツバチの飼料 小麦加工工房…パン、食パン 

        サトウキビ加工工房…砂糖 牛乳加工工房…チーズ、バター 肥料工場…肥料 

        製糸工房…青い糸、青い布 製油加工工房…植物油 大豆加工工房…醤油 

        卵加工工房…マヨネーズ 茶葉加工工房…紅茶 トマト加工工房…トマトソース


牧場      鶏の飼育所…卵 牛の飼育所…牛乳 養蜂施設…ハチミツ 釣り場…魚


果樹園     リンゴ ブドウ コーヒー イチゴ 桃



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