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第12話〜愛進束〜


ヴァルキュリアにてー

ウロボロスと同様の健常者から失記者になった事件の捜査に追われてる最中ー

事態は急変する。


漏とヒアリングをしてた泊に一通の電話が来るー

その内容は愛の一族がたった1人に滅亡したとの知らせだったー



泊は受話器越しに言葉を失い、震える声で問う。


「……もう一度、お願いします」


返ってきたのは同じ言葉。


――“愛の一族が、たった一人を残して滅亡した”


泊は受話器を置く。あたまに手を置く。

「ありえない…!!愛の一族が滅亡だと…!?」


「これでは世界経済の均等すらも崩れるかねない…」


「問題だらけの一族でも!!彼らがいたおかげでー」


「ウロボロスやヴァルキュリアが250年も保ててたのに!!!」


泊は立ち上がると、迷いなく叫んだ。


「すまない!!漏ちゃん!!私は行かないといけない!!」


そう言い、漏の返答を聞かずに部屋を飛び出たー



数時間前…いや数日前というべきだろうー


ある歴史のある和風の豪邸の中でー


「何回言ったらわかる!!お前は何故こんな事もできない!!」


袴を着た厳格そうな初老の男性が叫ぶ。


初老の男性は金属バットを抱えてボロボロの女性へ暴力を振るい続ける。

「やめて…ください…姉さんは…!!悪くない…!!」


痛みに震えながらも、ひとりの少年が姉を庇う。


「失記者になれてないんです!!魂は健常者なんです!!」


「このままでは死んでしまいます!!」


少年の言葉すらも初老の男性には届かなかったー

男が女性を庇い、暴力を代わりに受け続けるー


「もういい、、。お前ら姉弟には愛想尽かした…」


「愛束部屋に入れる…」


2人の髪を掴み、引すずり、厳重な扉の前に連れて行かれた。


そこに2人を無理やり投げる様に入れされられる。

男は呟いた。


「これがお前たちにとっての“愛”だ……」


暴力という名の愛しか知らなかった彼は、

その行為が後に繋がる、取り返しのつかない悲劇になることなど――

まだ、知る由もなかった。



「ぐぁぁぁ…」


女性がその部屋に入った途端、体を捻じらせ苦しみ始める。


「姉さん!!大丈夫か!!」


初老の男はゆっくりと口を開いた。


「…もう諦めろ。この部屋はな、元々は武器と遺体を封印するための場所だった。」


「だがある日を境に、“部屋そのもの”が記憶を持った。」


「中に入る全てを、“記憶”が攻撃するようになったんだ。」


「4000年間分の怨念、痛み、死、すべてがお前たちを食い破る…!」


「ここから生きて出た者は――いない。」


「己の魂を、死ぬまで恨め……」


そう言い残し、鉄の扉が閉じられる。


愛縛部屋に入れさせられ、数時間ー


女性の苦しみはまだ続いており、弟にも記憶の攻撃がかかる。


「……こんなもんか?愛束部屋は…まだ!!姉さんの苦しみに比べたら軽いもんだ!!」


弟は啖呵を切る。


「……やめて…ウルだけは…失いたくない…」


「姉さん、、僕も、失いたくないさ……」


2日前ー


2日間2人は抵抗を続けるが、虫の息の程にかの細い声が

部屋に響く。


魂と体の崩壊が近づいてきたー


数時間前ー


啖呵を切った弟の魂の崩壊が目前となりー

彼は悟る。


(…僕はもうここまでのようだ…姉さんに全てを…託す…)


「姉さん。来世で待ってr…」


最後の言葉が掠れ切り、体と魂がボロボロと崩れ落ち、

粉状へと細かくなった。


「…ウル…ねぇ置いていかないで…貴方が…うらまかったの…」


顔の半分までひび割れが入り始めるがー


突如更なる脳天に衝撃が入る。


「うああああああああuc5hbbaigksh*jen_i」


言葉の羅列がつかなくなり、自分の体を掻きむしり始める。


そうー記憶の継承が女性へ継がれたのだー


4時間前ー

原歴4095年10月9日ー

時刻は23時63分を指すー

10日には彼女の20歳の誕生日たが、迎えれるか迎えれないかの瀬戸際に彼女は立っている…

記憶の継承を受け、更なる人格の崩壊が見えたが

辛うじて自我を取り戻す。


しかし、体と魂の崩壊はゆっくりとじわじわ迫ってきてるー


「…なんでこんな一族で…愛に縛られなければ…いけない」


「私だって…普通の愛を知りたかった…」


「こんな一族…滅べば良い…」


その言葉でいい終えた後、

時刻が零時を過ぎた。

彼女は失記者になれずに飲まれたと思われたがー


まさに理解不能な事が起きた。

彼女の体と魂が再び脚光共に復活を成す…


愛に縛られた呪いは、“物”に宿り、新たな魂を産み落とす。


ウルから託された記憶、愛束部屋に眠る4000年の怨念。


霊的な概念に当たるがー

物に膨大な記憶を持つと、ごく稀の条件で魂が生まれると言った事例があるー


物に宿る魂ーもとい付喪神と呼ばれる概念だが…


それらすべてが“彼女”という存在に収束し、名も無き“付喪神”として――再誕した。


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