第10話〜侵腐序〜
ウロボロスでの任務を終えた赫失隊とヴァイは喫茶店にて会話をするー
「てか。グサ…寺で煩悩消しに行ったやろ?」
「全ッ…然変わってるように見えないんやけど。」
白に抱きついているグサは答えるー
「はい!確かに寺で色々叩き込まれましたが!」
「寺で色々考えながら分かったのです!」
「私は白様が救世主であり!今後一生を白様に捧げると決めました!!!」
「余計に悪化してへんかこれ!??」
見かねたイアが間を入るー
「ごめんね白くん…グサさんのメンレラ具合舐めてたよ…」
「寺でもお手上げとかまじ笑えるござる!」
無は武士口調で話を続ける。
「グサ殿は相当の愛があると見た。」
「拙者は良いと思うぞよ!!もっと愛を深めて行って子を賜u……」
ヴァイが殴る。
「待って…みんな備えて。」
「何かが来る…」
勘というのだろうかー
勘は生存本能のひとつでもあり、見えない予兆を読み取って感じ取る力も備わってるとかないとかー
たが今回のイアの勘は的中する…
喫茶店に突然トラックが轟音と共に突っ込んできた。
「はぁ!!?折角会議終わったというのに…はぁ…残業やん…」
イアが項垂れるが、足取りは辞めない。
トラックの運転手を引きずり出し、拘束するー
と思われた。
突如イアは切れだし、運転手を見る影もない姿になるまで殴り続けたー
「あんっ……のせいで!!!また残業コースよ!!?家に帰って!!!彼の写真を眺めたかった!!!のに!!!!」
白達はポカーンと見つめるが。
ヴァイがハッとして止めに向かう。
暫くして。光龍にイアは叱られたー
イアは落ち込むが、ひとつの違和感を出す。
「…あの運転手健常者じゃないわ。ぶつかった時に再生するの見えたわ。」
「なら魂読機を…」
運転手にかざすが、
ピーピーピーピー対象者無し!!
「…そう。この人見た目からして60代は行ってるし頭皮も薄い。」
「おい!!俺40歳や!!!」
その運転手は手錠をかけられてもなお、光り輝く頭を向け続ける。
「わかったわよ…その光り輝く物をしまいなさい!!」
「どこにしまえというじゃ!」
「あーもーうるさいわね!!」
そう言い傍に落ちてたトレイを運転手にガァァァンと音を鳴らす。
「イア…????」
イアは罰の悪そうな顔をするー
「いいたい事はわかったから白くん達連れて行ってくれ。」
「はい…」
イア達は事故現場から離れるー
光龍は静かに思考を巡らせた。
(だとすれば……善さんの能力に極めて近い、“擬似覚醒型”の存在が……)
(どうする……皆に伝えるべきか?)
一瞬の沈黙。
その後、光龍はわずかに首を振った。
(……いや。まずは記憶保管庁で確認を取ってからだ。)
光龍は連に電話をかけるがすぐ切る。
その後にライムをするー
「本当に杞憂だといいんだが…」
光龍はその僅かな希望を抱くがー
希望は無様に砕けられる結果となったー
一方その頃ー
ウロボロスでは、漏の通達により、時宗不在のままカノウが率いて会議をしていたー
「という訳で…3日後にヴァーネをウロボロスへ襲撃をすると分かりました。」
「日本本社としては私達が現地に行き、対策を行います。」
カノウは画面越しの日本各支店長が映る。
このまま許諾を得られると思いきやー
「カノウ様。申しわけないですが…」
「こちらの拠点に、健常者から失記者になったとされてる事件の依頼が立て続けに来てます。」
「私としてはカノウ様や日本本社が抜けられるとこちらの捜査にも支障が出てしまいます…」
福岡支店長と名前が書かれた名札を持つ人が言い出すー
その支店長の言葉を皮切りに、各支店長にも同様の事件と離脱を止める発言が増えるー
カノウは静かに目を閉じた。
その一瞬が、会議全体の空気を凍りつかせる。
「……そうか。」
「“可能性”ではなく、“兆候”として現れたわけですね。時宗が懸念していた通りに。」
映し出された支店長たちは一斉に沈黙する。
「では、日本本社としてはこの場に留まり、被害の拡大を防ぐとともに、国内調査に注力します。」
「ウロボロス方面の対応は、現在出張中の赫失隊、ジユ、それと……時宗に託します。」
そう語るカノウの表情には、覚悟と微かな焦燥が入り混じっていた。
そして小さく、誰にも届かないほどの声で――
「…白…時宗…あなた達は…どんな事があろうと…」
「100%帰ってくると信じてるからね…」
その頃ー
ジユとソクは繁華街を練り歩く。
「ジユさ〜ん〜まだ飲みましょう〜や〜」
「おう!のむぞ!!」
2人は顔を赤らめつつも、居酒屋に入る。
たわいもない談笑を続けてると、
ガシャーン!!と音が鳴り響く。
向かいの席の男が酒を零し、チンピラにかかる。
「おぉい!!あんちゃん何してくれんだ!!」
「ひぃぃ!!ごめんなさいごめんなさい!!!」
「ハァ…」
向かいの席の男はー息子だった。
相席してた女性もーヘイラだった。
「お?なんじゃ?喧嘩か?いいぞもっとやれ」
「お〜酒のつまみになる〜」
ジユとソクは常識外れな発言をするー
しかしその言葉はチンピラの耳に入りー
「おい?見せもんちゃうぞ!!お前ら全員店前出ろ!!」
「え〜めんどくさい〜」
そのまま4名はチンピラの言われるがまま連れていかれる。
「で、何すると言うの?」
「当たり前だおまえらをボコボコにすr…」
ヘイラが拳をチンピラに殴る。
チンピラはこの後の展開に目を丸くするー
ヘイラの一方的な暴力にチンピラは怯む。
その最中ー首元にヴァーネの紋章が見えた。
「な、お前ヴァーネの構成員かよ!!殺すな!!辞めてくれ!!」
暴力を振りほどき、チンピラは逃走する。
「おい……お前この前の奴だろ……ヴァーネの1人か……?」
先程まで酒でべべれけだったジユの表情が強ばり、目が冷たくなる。
「あぁ……ヒーローか。こんな所で会うなんて運命かもね…」
「茶花すんな!!応えろ!!」
ジユはヘイラの襟元を掴む。
「生憎様だけど。私はまだ自由を掴めてない。」
「また会う時に話しましょう……」
そう言い、ヘイラと息子は消えるー
ジユは確信したー
この騒動か嵐のほんの少しの一時であるとー




