第3話「衝突」
突如、窓ガラスを突き破って現れた謎のダンディなおじさん――セイムが、白に詰め寄る。
セイム「認めんぞ…!!認めんぞ…!!空から君の名前を出すだけで背汗が止まらないのに…!!」
白は引きつった顔で、セイムを変質者でも見るような目で睨む。
白「……誰ですかアンタ……通報しますよ……」
カノウ「はぁ…ガラス代がまた請求される……」
カノウは軽く額を押さえ、呆れ顔で呟く。
カノウ「セイムさん、そもそもここ4階ですよ。どうやって来たんですか?」
セイムはキョトンとした顔で即答した。
セイム「ん?向かいのビルの屋上からジャンプしてきた」
白「いやいやいやおかしいでしょ!?人間じゃないですよね!?」
セイム「そんなことより君が空の記憶を引き継いだんだろ……!?私を君をみとめーなーい!!!!」
白「いやだから誰やねん!!さっきから“認めんぞ”しか言ってないじゃないですか!!!」
セイム「父親だが!?」
白「重っ!?空の父親!?ウッソでしょ!?てことは……空って実年齢いくつ……?」
カノウ「空は18+150歳よ。外見は若いけど実質、おばあさん。」
白「えぇ!?じゃあ俺今、めっちゃ年上の彼女作ってたことになるじゃん!!」
カノウ「白、それ以上はやめとけ。私にも刺さる。」
セイム「そーんなことよりッ!!なんで君なんかがァァァァ!!!!」
白の肩をガクガクと揺さぶり始めるセイム。
白「やめろ変なおっさん!!!」
白は耐えきれず、勢いよく病室を飛び出した。
ダダダダダダッ――階段を駆け下りる白。だが、セイムはしつこく追ってくる。
セイム「認めんぞ…!!認めんぞ…!!」
白「うっさいなぁ!!クソジジイ!!」
怒りに任せて体をひねり、追いかけてきたセイムの股間へと渾身の足蹴り。
セイム「ぐはぁぁぁぁぁぁ!!!」
セイムは床に膝をつき、顔を歪めながら呻いた。
セイム「今の蹴り…空そのものだった…くそ…空よ……」
白「なんなんだよぉぉおおおこの人ぉぉおおお!!」
病院の廊下を駆ける白の背後では、金的をくらったセイムが呻き声を上げながら床に倒れている。
その一連の様子を、どこかの部屋に設置された監視モニターが静かに映していた。
画面の前、椅子に座る人物がひとり。逆光に包まれ、顔は判別できない。
だが、その両手に浮かぶ“時計”のタトゥーだけが、不自然に光を反射していた。
「……ハハ。セイムさんらしいや。」
ぼそりと漏れる声は、どこかおおらかで、それでいて寂しげでもある。
「けど白……君は“失記者の記憶”を譲渡されたばかりで、それでもなお走ってる。」
「普通は、自死を選ぶ。人格が崩れて、壊れて、どうしようもなくなって、ね。」
一拍置き、静かに画面へと目を細めた。
「――面白いよ。ほんt…」
その時、部屋の扉が勢いよく開く。
「時宗様ーーー!!美味しいパン焼けたんですけど食べますかー!?!?」
「ちょっとぉ!?今いい所で映そうなシーン取ってたんやけど!!?」
タトゥーの手がブワッと上がる。
神秘は割れ、**“ただのうるさい社長”**がそこにいた。
これから毎週金曜の18時に投稿します。
楽しみ待って頂けれたら嬉しいです。




