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――――――――完全に、殺しにきていた。
呼吸を荒げ、必至に野を駆ける。
なぜ、どうして?
いったい何が……?
一応の警告はあった。しかし、彼等彼女等は、まるで害虫を潰すが如くの感覚で私を殺そうとした。必死に、使命さえ帯びて。
私がこの世界に対し害為す者だということは分かる。しかし、その敵意はどうしてか会話すら通じない、あまりにも理解しがたいものだった。
これが、人間?
まるで理解が及ばない。恐ろしい。怖い、怖い――。
怖い。
私は無様に逃げ続けた。逃走の果ての絶壁へと向かうようにして。