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第77話 神になるということ

日が過ぎて冬が近づいてくるごとに、あるいは神社の建設が進むごとに、札の効力もなくなり、静子様は私の姿を見ることが二日に一回程度になった。


静子様は私のことを気にしつつも、静かに一人で生活をされている。


食事は静子様が自ら作られている。物にもあまり触れられなくなってきたのだ。


私のことが見られる日にはたくさん話をした。


そして私のことが見えない日は、仁と寿を連れて、県外の神社を回るようにしていた。


何人かの神様は私の前に姿を現わして下さるようになって、お優しい言葉もかけて頂いたが、逆に意地悪なことを言う神様もいらした。


たいそう傷はつくけれど、いちいち気にしていたらこれからやってはいけないだろう。


神社巡りをしたあとは静子様の帰宅を待って、見えないとわかっていてもずっと呼びかけていた。


内心では寂しさを抱えながら。お社を頂ければ、もう静子様もこの街の人々も完全に私のことが見えなくなる。


私はただ、人々の心のうちを聞き、見守っているだけの存在になる。


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