【第3章】 家制度が“感情の監禁装置”説
【場所:住宅展示場 特設ステージ「理想のマイホーム講座」】
司会者:「それでは本日、“幸せな家づくりセミナー”、ご参加ありがとうございます!」
「おじゃましまーす! 本日、家そのものに異議申し立てに来ましたー!」
未来人、またもや空気を読まずに登場。
「えー、まずひとつ質問です。
“なぜ結婚したら、同じ家に住むんですか?”」
「……え?」
「それ、制度的に必須じゃないですよね?
感情的な慣習ですよね? しかも“幸せの象徴”として機能してる」
未来人は、巨大モニターにスライドを映す。
【家=感情の一括収納システム】
愛情
忠誠
信頼
同居
責任
性
生活
→ 全部、“家”という空間にまとめて詰め込まれてる
「これ、どれか1個でも壊れたら“家ごと破綻”する設計になってます!」
「つまり“家族”って、感情のフルスタック監禁装置”なんです!!」
「やめろ!!!その言い方やめろ!!!」
【制度案③:分散型家族制度】
居住地:自由選択(同居不要)
責任:役割ベース契約で分散(家事・育児・感情労働は別)
姓:NFTで分離管理(夫婦別姓/混合姓選択可)
扶養:消滅(各自自立前提、必要時に共同投資)
「つまり、“愛してる”って言葉と“ゴミ出しの当番”を同じ空間で処理するから、関係が破綻するんです!!」
「それは……なんか……言い方の暴力……!」
【未来人、最後にこう書く】
『“家”という形式に、感情を押し込んでないか?』
「家って、“安心の箱”に見えるけど──
本当は“責任のミキサー”なんですよ」
一人の女性参加者が、ぼそっと呟いた。
「……“家にいるのがつらい”って、
誰にも言えなかったな。
愛してるはずだったのに」
【次章予告】
第4章:愛DAOと役割オークション開設
次回、未来人が家族機能をDAOで分解し、
“パートナーの役割”をオークションで入札する制度を提案。
「愛って、いくらで引き受けてもらえるんですか?」
問いが制度を追い越すフェーズへ──




