【第2章】 婚姻制度はNFTでええやろ制度
【場所:市役所 婚姻届窓口】
「こちら、婚姻届のご提出ですね。
ご本人確認のうえ、署名・捺印を──」
「それ、NFTにしませんか?」
「は?」
ランドセルを背負った男──未来人が、堂々と割り込んできた。
「この婚姻届、アナログすぎます。
まず“記入ミス=婚姻無効”って、脆弱すぎるんですよこの制度!」
未来人は、USBメモリを机に叩きつけた。
中には“婚姻スマートコントラクトv1.0”と書かれている。
「これ、NFT婚姻契約。
・発行日から1年ごとに自動更新
・“同意確認ボタン”が月1回表示されます」
「嫌すぎる!!」
【制度案②:婚姻NFT制度】
登録はブロックチェーンで公開透明化
パートナー同士の“関係性ログ”が随時記録される
月1で「継続確認スワイプ」実施。押し忘れたら自動失効
「愛情トークン」残高表示付き(偏在しすぎると警告アラート)
「ちなみに“期待値過剰”が検出されたら自動通知がいきます。
“お前、相手に多く求めすぎだぞ”って」
「やだその通知!!」
「でも実際、今の婚姻制度って“愛してる”を根拠にしてるわけじゃないんですよ」
「え……じゃあ何を?」
「“提出された紙”が証拠です。
感情は消えても、紙は残る。
それが今の“愛の管理方法”です」
【空気、少しだけ変わる】
一人の窓口職員が呟く。
「でも……確かに、別れるとき、
“結婚した事実”だけが責任になるの、不思議だな」
未来人は、婚姻届のコピーを手に取り、
そこにこう書き足した。
『“愛してる”は提出できません』
「だからこそ、制度は問いの余白を残しておかないと、
感情だけが沈んでいくんですよ」
【次章予告】
第3章:家制度が“感情の監禁装置”説
次回、未来人が家制度・姓・同居義務に突撃。
“愛”の名を借りて設計された「感情拘束システム」を制度ごと爆破する。
本当に“家”は、守るものだったのか──