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第140話 どこの世界に行っても、私は————————

 私の人生は無意味だった。



 生まれた時から貧乏で、欲しいものは何も得られない。


 他の子供達が当たり前に持っていたものを、私は指をくわえて見ているしかない。



 唯一、私に安らぎをくれた人は、物言わぬ人形になった。



 安らぎを取り戻したいと思って、努力したのに。


 ————青春も、友情も、普通の学生生活も、全てを投げ打って。


 全てを犠牲にして、努力し続けたのに。



 たった一人の男の思いつきだけで、全て崩れ落ちた。



 お母さんを助けたいと頑張ったことは、間違ったことだったのだろうか。


 私の願いは、なにか罪深いところが少しでもあったのだろうか。



 なぜ私だけが、こんなにも苦しまなければならないのか。


 何が悪かったというのか。



 神様は————私の何が気に入らなくて、こんな罰を与えるのだろうか。



 いや————きっと違うな。


 きっと————ただそういう運命だったというだけなのだろう。



 努力したって無駄。


 何をしたって無駄。



 やっぱり、あの人が言ったように、この世は運と金なのかな。


 生まれた瞬間に全てが決まっていて、後からどれだけ足掻いても変えることはできないのかな。



 だったら、次は————贅沢で安定した生活ができるお姫様にでもなればいいのかな。


 努力しなくても、全てが得られるような、そんな人生になれば————



 こんなに、つらい思いしなくて済むのかな。




 いや————きっと違うな。



 私が————


 私という存在が————



 どこの世界に行っても————不必要な————




 泥沼に沈んでいく。



 存在する価値のない人間。


 誰からも必要とされない、欠陥品のような存在。



 暗闇が私を包み込んでいく。


 底のない沼のように、足を取られて————



 どこまでも、どこまでも沈んでいく。



 絶望の渦。


 螺旋を描きながら、私は奈落の底へと落ちていく。


 もう浮かび上がることはできない。



 光の見えない世界で、私は————




 私は————————————————




「————マリー!!」




 その時、意識を現実世界に引き戻す声が響いた。

読んでくださりありがとうございます。



主人公がこの先どうなっていくのか、ぜひこれからも見守ってあげてください。

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