黙ってられない! 私は貴方の事が嫌いでしかたがないの!
”黙ってられない! 私は貴方の事が嫌いでしかたがないの!”
・・・僕は少し気になっていた女の子にそう言われる。
彼女とは? バイト先が同じで、1年前に僕が入った時には既に彼女は
バイト先にいて、僕は案外彼女と仲良くなれているような気がしていた。
ウチのバイト先では、”バイトが休みの日は、皆でよく遊びに行く事が
あったし、何よりバイト先の店長が面倒見がいいから皆も店長を慕って
いたと思う!”
僕も店長が好きだし、憧れている部分もあった。
バイト仲間とは、皆が仲良く話が出来る良い関係。
僕はこのバイト先が好きだ。
週5でバイトに入っている僕は、次第に好きな子が出来るように、、、。
仲良くなると? バイト先の男同士で、”バイトのどの子が可愛いとか、
好きな子とか居るのとか、お互い聞くようになっていた。”
僕は同じバイト先の、”奈音ちゃん” が気になっていた、
いや? もう好きになっていたんだと思う!
いつからか? 僕は少し彼女を気にしながら話すようになっていて、
彼女も僕の気持ちに少し気づいていたのかなと思うんだ。
いつか叶うなら? ”僕は彼女と付き合いたいないなって想っている!”
淡い想いではあったけど? 願いが叶うなら僕は彼女と付き合いたい!
日に日に、彼女への想いが強くなっていくのに彼女との距離が縮まらない。
これは! 一か八か、思いきって! 彼女に告白するしかないと思った
僕は彼女を呼び出し【告白】する事にしたんだ!
『今日は、安井来なかったね?』
『・・・まあ、そうだね、他が忙しんじゃないの。』
『“えぇ!? ほ、他って、何?”』
『えぇ!? 知らないの! 安井クン最近彼女出来て、かなり彼女に
安井クン尽くしているらしいよ。』
『・・・そ、そうなの?』
『うん! 森クンって、安井クンと仲いいけど? 聞いてなかったの!』
『・・・ううん、知らなかった、』
『“じゃあ、バイト仲間の女の子全員に森クンって嫌われる事も?”』
『はぁ!? う、嘘でしょ、なんで僕が女の子達に嫌われてんの!』
『“なんか? 気持ち悪いんだよね、いつもバイトのT-シャツ汗でベトベト
だし、いつも眼鏡曇ってるし、太ってるし!”』
『外見がでしょ! 僕の中身を好きになってくれれば良く分かるよ。』
『・・・でもさ、そうなんだろうけど、やっぱり、私もう無理かも、』
『何? 正直に言ってよ!』
『“黙ってられない! 私は貴方の事が嫌いでしかたがないの!”』
『えぇ!?』
『森クンがバイト先に入って来た時から、ずっと私は森クンの事が嫌い
だった! 生理的に無理! ごめん。』
『・・・そ、そんな、急にごめんって言われても、』
『“今もそうなんだけど、森クンの前に立っただけで、鳥肌が出るのよ!
寒気もするし、本当にごめん! 出来るだけ私に近づかないくれる?”』
『そ、そんな言い方、酷過ぎない?』
『森クンの言いたい事も分かるよ、でも私は本当に無理、ごめん!』
『ちょ、ちょっと待ってよ! まだ僕の言いたい事が言えて、な、い、』
彼女は僕の方を一度も振り返る事無く行ってしまった。
もう好きとかどうでもいい? 完全に僕は彼女に嫌われているんだ!
しかも? 僕の中身を見てもらえる前から、”生理的に受け付けない!”
そんなのもう無理じゃん!
僕がこれ以上、彼女の事を好きでい続けても彼女が僕の事を好きに
なってもらえる可能性ってないのかな?
何度も何度も僕は彼女の事を諦めようとしたのだけど、、、?
好きなものはやっぱり好きで、あんな事を僕は彼女から言われたのに、
まだ僕は彼女が好きだ!
だから僕はもう一度! ”彼女を呼び出してこう言ったんだ!”
『・・・な、何?』
『“僕はやっぱり諦めきれない! 好きなものは好きなんだ! ”
奈音ちゃんが僕の事を生理的に受け付けないならそれでいい!
でもいつか僕は奈音ちゃんを僕の方に振り向かすから!』
『・・・し、しつこくない?』
『しつこいよ、誰かを好きになるってそういうもんでしょ!』
『ウザイー!』
『ウザくてもいい! 僕はどうやっても奈音ちゃんが好きだ!』
『・・・別に、森クンの好きなようにしてもいいけど、ストーカー
みたいな事だけはしないでよね!』
『うん、分かった。』
『“結構、森クンって面倒くさい男で、今ビックリしてるわ!”』
『”いつか僕の中身を奈音ちゃんも好きになってくれるよ。”』
『・・・な、ないと想うけど、分かった、』
『じゃあまた、バイトで!』
『・・・あぁ、ううん、』
*
・・・一度、女の子に嫌われると? なかなかその子が好きになって
もらえる事って本当にないけど?
僕は彼女の事を諦めず、ずっと好きでい続けていたら?
*
その後、彼女は僕以外の男性と何度も付き合ってはいたけど、
どの男性とも上手くいかなかったらしく、僕は彼女の愚痴を
聞く係にいつの間にかなっていて、、、。
ふたりで飲みに行っても僕がお金を払う係。
送り迎えもするし、彼女を慰める係もしていた。
そして3年後、彼女から僕はこんな事を言われてビックリしていた!
『“森クンが良ければ? 私達、結婚しようか。”』
『えぇ!?』
『”森クンとずっと一緒に居て、森クンの中身が分かったんだ、
ずっと森クン? 私に僕の中身を見てほしいって言ってたじゃん!
それがよく分かったから、私は森クンと一緒になりたいと思ったんだよ。”』
『・・・な、奈音ちゃんは本当にいいの?』
『いいよ、今の私は森クンがいい!』
『じゃあー結婚するかー!』
『うん!』
・・・時間はかかったけど? 彼女が僕の外見じゃなく中身を好きに
なってくれたおかげで彼女と一緒になれた。
最初は、”生理的に無理”とか言われて、凄くショックだったけど。
もう彼女の事は、何度も何度も諦めようと思ったし。
でも? 今は諦めなくて良かったと思っている。
やっと僕は彼女と一緒になれたからね!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。