ギネヴィアとの出逢い
「いよ、天才召喚士」
「美少女を二人も従えているなんて、俺は羨ましいぜ」
「完全にハーレムだよな」
「俺は妬ましいよ」
召喚士科では無視されていたのに、錬金術士科では好意的に受け入れられた。
親しい友人が四人も出来た。
アーサー、ランスロット、パーシヴァル、ガラハッドの四人だ。
何故か男子ばかりで、女子の友人は出来なかった。
アーサー達には親しい女子の友人達が大勢いるのに。
ちなみにアーサーとランスロットはギネヴィアという聖女科の女子を巡って、三角関係らしい。
絶対におかしい。
シナリオでは王太子のルイモンド様と悪役令嬢のギネヴィアが婚約している筈なのに、何故かギネヴィアとアーサー様とランスロット様との三角関係になっている。
錬金術士科では錬金術、属性魔法、強化魔法、以上の三つを優先的に学んだ。
校外で密かに召喚魔法を発動させていたら、地球の物品をランダムに召喚出来るようになっていた。
「今日は野外実習です」
全ての科が合同で行う、野外実習の日になった。
主な内容はサバイバル訓練と魔物討伐だ。
僕はアーサー達とグループを組んで、野外実習に挑んだ。
「彼はウェル。召喚士科から錬金術士科に転入してきた元召喚士です」
「彼女はギネヴィア。聖女科トップの才媛です」
アーサーとランスロットからギネヴィアを紹介された。
確かに物凄い美人だが、僕からしたら年の離れた妹か可愛い娘という感じだ。
友人のアーサーとランスロットからウェルを紹介された。
セシアンナから聞いていた通りの同年代とは思えない程に大人の雰囲気を漂わせた男子だった。
しかも私の父と同じようにスリムなのに筋肉質だった。
森の中で野草やキノコを採取しながら、魔物を討伐後に解体して、貴重な肉を手に入れた。
「ギネヴィア、君の為に野草とキノコと肉を取ってきたよ」
「皆で苦労して採取したのでしょう。そんな食材は受け取れません」
「お願いだ。俺達の気持ちを受け取ってくれ」
「・・・・分かりました」
二人にゴリ押しされて、ギネヴィアは渋々食材を受け取った。
アーサーとランスロットがギネヴィアに食材を貢ぎやがった。
「「「アーサーとランスロットは飯抜き」」」
僕達は二人を飯抜きの刑に処した。
「ゴブリンの襲撃だ」
「ゴブリンキングも居るぞ」
真夜中にゴブリンキングに率いられたゴブリンの襲撃を受けた。
「ゴブリンなど私達の敵ではありません」
「直ちに殲滅しますので、ご安心下さい」
ブランとノワールがゴブリン達を次々と瞬殺して、ゴブリンキングさえも簡単に始末してしまった。
「主様、褒美にハグさせて頂きます」
「私もクンカクンカします」
「・・・・分かった」
二人が怖いので、仕方なくハグとクンカクンカを了承した。
「・・・・」
何故かギネヴィアが睨むような視線で、僕達三人を見つめていた。
「貴女達はウェルと男女の関係なのですか」
「主様と私達は男女の関係ではありません。主様の逞しい筋肉にハグしたいだけです」
「あくまでも主と従者の関係です。主様の麗しい体臭をクンカクンカしたいだけです」
どうやらブランは筋肉フェチで、ノワールは匂いフェチだけのようね。
「・・・・そうですか。多少看過出来ない部分もありましたが、取り敢えず納得しました」
ギネヴィアとブランとノワールが密談をしていたので、気になって内容を聞いたら、『『『乙女の秘密です』』』と言われた。