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眷属

「おはよぉー。」


(おはようございます。セドリック様。本日も良い天気でございます。建設をしていく日にはもってこいですね。)

窓から外を眺めると快晴の綺麗な空が見えた。


「そだねー、外観は昨日ある程度作れたし今日はインテリアを頑張ろうかな。」


(このインデックス、全力でサポートさせていただきます!ところでセドリック様、ある程度お部屋を作られましたら魔物か眷属をお作りになるのがよろしいかと存じます。万が一、セドリック様に何かあったらと思うと心配で胸が張り裂けそうでございます。是非、安全のためにもお作りくださいませ。)


「眷属ねー、眷属って何か出来るん?」


(セドリック様のお好きな、きゃらえでいっとが出来ます。また、セドリック様に絶対の忠誠を誓う頼もしい護衛にもなります。)


「やろう。」

いや、キャラエディットに惹かれたわけじゃないよ、少しいいなとは思うけど安全って大事だと思うんだ。そういうことにしておこう。


(そう言っていただけると思っておりました。さっそくやり方をご説明させていただきます。とは申しましても昨日同様念じてウィンドウタブの中で作成するだけでございます。基礎値が高い眷属を作るにはよりMPを消費する必要があります。)


「なるほど、今日は全力で注ぎ込んでいい感じの人を作ろう!彼氏だって作れる時代なんだね!」


グッと拳を握り私の春が来た状態で喜んでいるといたたまれない視線が突き刺さった気がした。


(セドリック様…)

なんだろう、インデックスに目はないはずなのに痛い目で見られてる気がする…。


「いいじゃんか、転生するまで仕事三昧だったんだ!自分好みのカッコイイ人や可愛いおにゃにょこ作ったってバチは当たらないさ!」


開き直って勢いよくウィンドウを開きぽちぽちとキャラエディットを始める。


さてさて、まずは頼もしい護衛君を作りますか。

身長は高めが良いよね!

髪の毛はサラサラのロングにしよう!

色は薄いブルーに近い銀髪。

肌は色白でお目目は緑と金のオッドアイ。

種族は…魔人?おお、翼生やしたり角とかつけれる!

これは、私のキャラエディット経験値全てをつぎ込んだ完璧なイケメンにしてみせる!

そもそもこんな設定、2次元もしくは※しか出来ない組み合わせだよね!


1人ではしゃぎながらしかし黙々とキャラ作りに没頭すること1時間。


「出来たー!」

とうとう渾身の護衛イケメンが出来上がった。

といっても外見だけだが。


「では、基礎値設定です!張り切っていこー!」


そして設定したものがこれである。


名前:シン

レベル:1 種族:魔人

状態:

HP:1050

MP:2485

攻撃:501

防御:102

魔法攻撃:386

魔法防御:98

素早さ:289

運:50

スキル:剣術Lv1 銃術Lv1 黒魔法Lv1 炎魔法Lv1 空間魔法Lv1 白魔法Lv1

称号:セドリックの眷属




「中身もいい感じだね!」

渾身の出来に我ながら惚れ惚れしつつ達成感に浸っているとインデックスが横やりを入れてきた。


(呼び出さないのですか?)


「やー、ちょっと緊張しちゃって…よし、呼び出そう!召喚!」


とりあえずそういえばいいのかなと思いノリノリで叫んでみたが反応無し…恥ずかしいやつや!


(セドリック様、ウィンドウ右下のアイコンを選択することで召喚されます。)


「うううるさいな、分かってるよ!ちょっと遊んだだけだよ!」


(左様でございますか、それは失礼致しました。)


なんか最近インデックスが塩対応だぞ…。

まあいいや、気を取り直してボタン押すか…。


「ポチッとな。」


ぶわっと大きな魔法陣が広がり、中心に黒いモヤが集まっていく。

だんだん人型になっていき想像した通りの護衛君イケメンが目の前に現れた!


「うわぁ、改めて実物見てもまつ毛ながっ…肌白っ…髪サラサラ〜…うらやまけしからん…」


自分で作ったくせに何故か最後は僻みになりつつも肝心なことに最後に気がついた。


「全裸やん!?ちょっとまて!?服!!」

ワタワタしながらスキルの中に服が作れるものがないか確認すると簡単な木綿の服と麻のズボンという項目があったのでとりあえず生成した。


「…何をしている?」


「うわ、イケメンボイス…ってそうじゃない!服きて服!」

真っ赤になりながら生成した服を押し付けて後ろを向いた。

いやいやいや、生娘には刺激が…。

………ごちそうさまでした。


(セドリック様…。)


しょうがないではないか、私だってドキドキしたい!いや、こういうのな望んでないけどときめきたいお年頃だったんだ!


「着替えたぞ。」


「そか、よかっ…ぶっ!」

着替えてくれているけど上着も着ようか…

腹筋様ごちそうさまではあるが、上も着ようか…


「シンさん、上も着ましょう…。」


「これもか、分かった。それと別に呼び捨てで構わない。」


「そか、じゃぁシン。上着来たら教えて。」


ガサゴソと布のこすれる音がしていたが収まった。

どうやら着替え終わったようだ。


「終わった。」


「うん、ちゃんと着てくれてるね、ありがとう。」


「お前が俺の主か?」


「そだよ、私はセドリック。改めてよろしくね。」


手を差し出すと不思議そうに見ている。


「握手してくれないの?」


「握手?あぁ、忠誠の儀か。」

そう言うとおもむろに膝まづき、手を取って口をつけた。


「ファッ!?」


「…なんだ、違ったのか?俺が忠誠を誓うのは不服か?」


「いやいやいやいや、そうじゃなくてだな。握手って手を握り合うことなんだけど。軽い挨拶のつもりだったからなんかびっくりしちゃって…。」


再び顔を真っ赤にしながらあたふたと説明すると納得したのか立ち上がり、今度はちゃんと握手してくれた。


「勘違いしてすまない。これで良いのか?」


「うん、アリガトウ…。」

天然!?この子天然なの!?それとも私の常識がこことは違うの!?

ていうか、なんでそんなにしょぼんってしてるの!?

(セドリック様の常識とは少しかけ離れております。眷属は最初に忠誠を誓うものでございます。誓い方はそれぞれですが、受け止めてくださると眷属も喜びます。)


なるほど、そうだったのか。

悪いことしちゃったかな…とりあえずフォローしとこう!


「シン!さっきはびっくりしちゃってごめんね。シンが来てくれて嬉しいよ。ありがとう。これからよろしくね!」


「…。」


え、なんかダメだった?お願いだから反応してくれ!無視とか辛すぎる。


「よかった。忠誠の儀を違うと言われたから俺はもう必要ないのかと思った。ちゃんとセドリック様は俺を必要としてくれていた。これからよろしく頼む。」


そう言ってやわらかく微笑んだ。

そう、今まで無表情のイケメンが微笑んだのだ。

鼻血を吹かなかった私偉い!

というか、これからずっとこれとか心臓が持つか心配やわ。


「私のことは呼び捨てで良いよ。」


「それでは主従関係ではない。ちゃんとセドリック様と呼ぶ。」


「うーん、インデックスも様付けだしシンも様付けだとなんか堅苦しくて。なんなら愛称とかで呼んでくれた方が嬉しいんだけど。」


「しかし…。」


「じゃぁ、さっき私シンの事傷つけちゃったからお詫びと、初めての仲間特典って事で!…ダメかな?」


「そこまで言うならそうする。そうした方が嬉しいのだろう?…セドで良いか?」


「うん!ありがとう!」

無理やりだけど、様付け回避成功!

さて、まだお昼前だしこの辺を散策しに行こうかな。

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