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どこに行く

作者: 蔵之介

「おい、待てよ。どこまで行くんだよ!」

「…」

「その方向行ったって何もねえよ。ちょっと待てって。」

ガシッ

クルッ

「どうしたんだよ、なにか言えよ。」

「(声にならないうめき声)」

「え、なんて!?」

「(蚊のように小さいしゃがれた声)」

「ゆっくりでいいからまず落ち着け。な。座ろう。」

ドサッ

「で、何しようとしてたんだ。ここ海だぞ。そんな長袖長ズボンじゃ海にも入れねえだろ。」

「…クリ。」

「クリ?クリってあの甘栗とかのクリ?」

ブンブン

「海に落ちてるクリ」

「お、おい…。もしかしてお前の言ってるクリって黒い色してないか?」

キラキラ

「うん…。黒くて殻を剥いたら中に美味しい実が入ってるって、高値で売れるって、食べたらハイになれるって地元の先輩が言ってた。」

「その先輩、話の説明下手か。他の言い方あるだろ。…で、お前はその食べたらハイになれるクリを採るように先輩に言われたわけだ。」

ブンブン

「違う…。クリ…、食べてみたかっただけ。」

「なんだよ、お前の意思か。なら良かった。俺ん家にその食べたらハイになれるとかいうクリあるぜ。食べに来るか?」

コクリコクリ

「よしっ、じゃあ行こうぜ。俺ん家こっちだから、チャリとかあるなら早く取りにいけよ。」

スタスタスタ

「お前、名前なんて言うの?」

「東あかり(ひがしあかり)。」

「へぇー、ここらじゃ聞かない苗字だね。あかりって男の名前にもつけるのな。最近は男女の区別がつきづらい名前増えてきたし。」

ブンブン

「ん?違う?」

「男じゃない。」

「お前まさか女?パッと見、男っぽくてずっとそう接してたけど。ふーん、女かー。」

「あなたは女っぽく見える。」

「ん、あぁ。俺は女だよ。男物の服が好きだから着てっけどたまにガーリーで可愛らしい服だって着るんだぜ。どうだ以外だろ。」

「見てみたい。」

「見せねえよ。あんまり女物の服着てるとこ見られるの得意じゃないんだよ。恥ずかしいからな。」



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