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【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
はっき 夢の世界のわたしは過去のわたしでもあって別の人生を歩んでる愛おしい人でもあって。

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26 第50回暗闇姫家家族会議

異世界魔女っ子たちが地味系・日常系・ファンタジーラブコメをっ。

はじめまーす。


 陽葵(ひまり)惟人(これと)に早引の事情(ワケ)を話すと、生徒会があるにもかかわらず、「一緒に警察に行く」と即断でゆってくれた。担任センセも否や無く「そーしろ」と背を押すように許諾。



◆◆



 件の警察署は外環沿いにあって、最寄りの駅からは距離がある。

 なので3人で近鉄バスを使った。

 いつもと逆方向に行くため、思いがけなく緊張してしまい、やっぱりついて来てもらって良かったとふたりに感謝した。


 受付で用件を伝えるとすぐに担当官が応対してくれ、色々身元確認をされたものの、無事に勇者コレットと瑠璃(ルリ)さん(大人版ルリさま)を引き取るコトが出来た。


「あんまりご家族や近所に迷惑をかけちゃダメですよ」


 たしなめられたふたりは物言いたげな表情を浮かべながらも「ええ。そうですね」とひとまず我を折っていた。

 5人は署の近くのラーメン屋に入ることに。

 とうに陽も落ちかけているし、帰宅後の夕食の支度の煩わしさを思い、惟人が提案、陽葵もわたしも賛成した。そこは、こってりラーメンが売りのチェーン店だった。


 出されたメニューに瑠璃さんが眉をひそめ警戒したが、1口すすると残りをニコニコ顔に変化させて平らげた。コレットも概ね同じ反応だったので、異世界の味覚が通じたと内心胸をなでおろす。


「美味しかったわ。毎日これを食べさせなさい」


 今どきの悪役令嬢よろしく瑠璃さんがのたまうと、ジロリと陽葵が睨む。


「ええ。あなたたちがマトモに働いてくれたらね」

「ツンケンしてるな。叔母にむかって何だ、その態度は?」

「……叔母、ねぇ」


 陽葵に目配せする。アカンよ、彼らは記憶を消してんの。ヘンに思い出させて事態をややこしくしないでよ?


「そんなに目をパチクリ動揺せんでも分かってる。……けどな、現実問題、コレツトさんたちをどうにかして自律させんと、暗闇姫家は本当に破産すんで?」

「同じ人物として申し訳ない。ボクもそればかりを考えてんだけど、これといった妙案が思い付かなくて」

「惟人が悩む話や無いやろ。本人たちが自分で悩まなアカン話や」


 自分たちのコトで悩んでやがる……って自覚はあるだろうが、コレットも瑠璃さんも、「じゃあ、こーすべー」って意見なんぞ出せるワケでもなく。ただただ苦虫をかみつぶしたカオで、空になったラーメン鉢に視線を落としていた。


「とにかくさ。おうちに帰ろう。家で今後のコトを考えよう。何とかなるって」

「なんとかなるって、あなたねぇ……」

「ま、アタマ抱えてても仕方ないし、ハナヲちゃんの言う通り、いったん家に帰って落ち着こう」



◆◆



 今夜の暗闇姫家は、何だかお通夜のフンイキだった。

 ――とゆーのも、その原因を招いたのはシータンとルリさま、ふたりの魔女っ子。


 特にシータンが激オコで、よーするに「ラーメン屋に誘ってくれなかった」と、彼女としては稀有な怒りを勃発させ、場がとてつもなく凍ってしまった。

 んで、そこにルリさまがタイミング悪く(やたら陽気に)訪ねて来て、KYにもシータンにバカ話を振ったもんだから、更にシータンのブチギレ無双が生じ、一方のルリさまも、ワケも判らないシータンの理不尽さに逆ギレ。プンスカと機嫌を損ねてしまった。


 はあぁ……。


 新規入会の家族について向後策を話し合おうってのに、そんな空気がゼロになっちゃった状態。暗闇姫家お茶の間はどーしよーもなく停滞しちゃったのであった。


「わたしの設定変更オルディルシル・コンベルションが浅はかやったと思う。ここはもっかいリセットするのも手かも知れん」

「ナニ言ってんの。そんなコトしたらまた昨晩の繰り返しや。……まぁ、強制的に問題をクローズできるかも知れんがな」


 陽葵、わたしそーゆーイミでゆったん違うよ? ブッソウなカオするのヤメテ?

 惟人が唸る。


「一番良いのはふたりが元の世界に帰る事なんだろーが、それは反対なんだろ? ハナヲちゃんは」

「ウン……」


 元の世界に戻ったら、また撫花さんを襲うかも知れないし。そーならないとも限って無いし。


「人が良すぎんねん、ハナヲ姉は」

「ごめん、自覚ある。でも、頼むよ」


 部屋の隅で拗ねていたルリさまが、拗ねていたコトを忘れていたかのように声をあげた。


「す、スッゴーイ! お姉さん、プロゲーマーなの?!」

「え? え? べ、別にそんなんじゃ……」


 お姉さん……とゆーのは瑠璃さんのコト。

 ルリさま同士で会話してるって状況だ。


「ねぇねぇ、みんな! この人、マリヨのスーパーギャラクシー、ノーミスで全面クリアしちゃったよ! 信じらんないッ!」


 ギャラクシーってこれまた古いゲームを……って、まぁ確かにスゴイな!


 ――と。

 ここで、わたしの脳天に、あるヒラメキがピキンと降臨した。


「そうだよ、とりまナニやってもらうかはこれからジックリ考えてもらうとして、当面はゲーム実況の動画配信してもらおーよ。コレットさんには編集とかの技術をマスターしてもらって」

「それ、いーんじゃない? マカロンもいいって言ってるよ? おねーさん、絶対に人気者になるよ!」


 ルリさま、超ノリノリ。

 ……安易だなぁ……。

 でもま、なーんもしないよりかはゼンゼンいいし。


 まだヘソを曲げているシータンに「コンビニ行こ。好きなカップ麺買ったげる」と声を掛け、笑顔を取り返す。今夜の暗闇姫家はどーにかこーにか一件落着……した。


 ……したよね?


あとがきです。ここまで読んで頂き感謝です。

タイトルページで予告してますが、この度これまで描いたイラストたちを(全部では無いですが)別保管しようかと考えています。今週末に作業する予定ですのでご容赦ください。


「良い」と思った方は感想、ブクマ、評価、いいねなどで応援お願いします。

(出来るだけ付けたブクマは剥がさんでね)

暗闇姫ハナヲと魔女っ子一同、そして香坂くら、とても有難く、励みになります。

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