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【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
はっき 夢の世界のわたしは過去のわたしでもあって別の人生を歩んでる愛おしい人でもあって。

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16 狩り失敗

異世界魔女っ子のドタバタ・ファンタジーラブコメっ。

絵はある方が良いのだろうか……。


 遠くで耳鳴りがする。

 通報を受けて近付く消防車、救急車などの緊急サイレンだ。


 駐車場まで吹き飛ばされたわたしは物理的・魔力的二重コーティング構造の魔力防護壁を急ぎ確かめ、勇者コレットの接近を警戒した。

 一方で陽葵さんと彼女の母親の容態を魔力を使ってチェックする。


「良かった……ケガは無い」


 ふたりとも気を失ったままやが、それは逆に好都合。魔女っ子の活躍を一般人に見せつける趣味は無いですので。


「もうやめろ。ここの世界の陽葵さんは、アンタのゆう(ノワル)姫やない」

「いや。生まれ変わりだ。何回殺しても転生しやがる。女だったり男だったり、色んな姿に化けてな。オレはそれを見つけてただひたすら狩るだけ。再び悪事を働く魂が宿る前に」


 ……ちっ勇者め。いつの間に。

 そばまで来ていたのに全く気付けんかった。……ってゆったら動揺してるのを覚られるので()わんが、発するセリフがブルってるの、たぶん丸わかり。


 とにかくコイツは勇者コレットであって、わたしの知ってる暗闇姫惟人じゃないっ。

 異世界間を渡り歩いたってゆってるから、アステリア時代のコレットでもなさそう。要は超危険、得体の知れん通り魔的不審者だってハナシで。


「何度もゆーが、この子はアンタのゆう(ノワル)姫とはまーったく関係ないっ! 探し出して命獲るとか論外やろがッ! オマケにその母親まで利用して。――アンタのその行動の、いったいどの要素が勇者やってゆーねんッ!」


 これは時間稼ぎ。

 震える手付きで障壁をもう一重増やしつつ、冥界のサラさんに電話をつないだ。スピーカー機能オンにして勇者に対してる。


 部屋の前で違和感はあったんだ。

 漂う魔気の流れを読んだ……とゆーのか、魔力保持者(マージ)が持つ本能的危険予知能力が鋭く働いた……とゆーのか。


 そして、感じるのは。


 コイツ、結構強い。


「オマエ。さっきから部外者面で話してるが、オマエも当事者なんだよ。黒姫軍(ノワルラングス)幹部、ナディーヌ姫」

「わ、分かった。わたしも殺したいと。そーゆーワケなんやろ? それなら覚悟決めて真剣勝負してやるよ。その代わり、わたしに勝つまではこの人らに一切手出しすんなよ? えーな?」


「良いだろう。別に順番が後先になるだけだし」


 大上段に構えた剣をぎらつかせて勇者コレットがうそぶく。

 こっちも、双妖精(ジモコレヌ)を構え直して正対する。


 ……まさか、だ。

 絵を教えてもらいに別次元(こっち)の世界に来て、こうして殺し合いをするために剣を構えている。

 相手は過去にも殺し合った事のある、勇者コレット。

 しかもコイツは旧知の彼でなく、まったく無関係の他人。ただただわたしを怨敵扱いする人。


 勝てないまでも、少しでも抵抗してやろうとヤツを観察する。

 隙は見当たらないが、気付き点があった。衣装に阻まれてちゃんとは確認できないが、まず容姿。我が家の惟人よりも年齢が上っぽい。二十歳すぎ、30歳前にも見える。

 それと目立つのは言葉遣い。有り体にゆえば粗雑、乱暴。

 さらには使用する勇者の剣の形状がまったく異なる――などが知れた。


 だからとゆって戦いが有利に展開するワケでも無いが、少なくともこちらからの攻撃に遠慮を加える必要は無いっ! と結論付けた。


 ぬあぁぁぁっ! (――と心のうちで気合を込め)

 喰らえ、火弾(フラムボレ)の連続弾!


 ――と、その間隙をぬって近接直接アタック。彼の胴体めがけて双妖精(ジモコレヌ)を十字に振った。十字の形に彼のコートが裂け、中の防着が露わになった。

 さらに数歩詰めて突きを与える。


 彼の、中に仕込んだ胸当てが「ベコン!」 と高音立ててヘコみ、はずみで彼が後方へずり下がった。

 勢いづかせて2撃、3撃と殴打を続ける。そして直ぐに反撃を警戒して火弾(フラムボレ)を放ちつつ飛び退く。一定の距離を保って魔力砲(プリエカノン)を放出。


「!」


 勇者コレットの動きが止まった。

 詠唱(ゲベート)しているのか、それとも斬り込みをかけようとしているのか。

 直立不動でわたしの魔力攻撃を受けた。


 あたりの街路樹すべてが根こそぎへし折れるくらいの凄まじい爆発が起きたが、ヤツの姿を見る限り身をかわす素振りは無かった。


「当たった?!」


 首を伸ばしたら「ガツン」と衝撃波を喰らった。

 防護壁が無かったら風圧で頭部がもげちゃったんじゃないってくらい。さすがによろめいて路上に座り込んだ。


 そこへ、上空から剣と一体になった勇者コレットが降って来た。後ろ回りで回避!

 元居た位置はアスファルトが真っ二つに裂けていた。ってこんにゃろーめッ!


「……ちっ、ここまでか。次には命が無くなると思え」


 忌々し気に舌打ちし、消えた。同時に救急隊員たちが走り寄って来た。魔装具を引っ込め、陽葵さんたちの方に誘導する。撫花さんがそばに付き添っていた。


「ハナヲさん!」

「……ごめん。逃がしちゃった」

「逃がしたって……それよりもケガは無いんですか?!」


 心配のポイントが違うと叱られた。


 雲の切れ間に満月が浮かんでいた。もう夜になっていた。

 木枯らしに舞った枯れ葉が足にまとわりついた。


最近時速500字程度、打てるようになりました。

毎回2000字をメドにしてるので所要4時間ですね。

もうちょっと早くならんと休日はともかく平日投稿がままならんです。

それとPC故障問題、何とかせんと……。

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【以下テンプレあいさつ】

最後まで読んで頂き有難うございました。

「良い」と思った方は感想、ブクマ、評価、いいねなどで応援お願いします。

(出来るだけブクマ剥がさんでね)

暗闇姫ハナヲと魔女っ子一同、そして香坂くら、感謝・感激いたします。

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