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【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
はっき 夢の世界のわたしは過去のわたしでもあって別の人生を歩んでる愛おしい人でもあって。

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09 眠るは元ダンナ

異世界魔女っ子たちのドタバタ地味系・日常系・ファンタジーラブコメです。

それでは本日も開始。

絵、入れました。(文末)


 にしても歩きにくい。

 だってこの服、完全にオジサン用だもの。しかも超ラージサイズ。これはしようがない。


 意を決してズボンを脱ぐ! 上のスウェットパーカーが大きいのでもう履かないコトにした。

 頼む、パンツよ。早く乾け。オマエだけは一刻も早く履かせて欲しい!


 大いびきのオジサンを眺める。

 つくづく、いい気なもんだ。


「こんな美少女放っておいて寝ちゃうなんて。どーゆー了見なのかしらね、まったく」


 これ、一度ゆってみたかったセリフのひとつ。

 なので実際に口にしてみた。


 ――そしてやっぱ後悔した!


 思ったよりもハズい。ものすごーくハズイですっ。コレ相当アタマをお花畑かその逆にカラッポにしなきゃムリなヤツ。ラブコメアニメのヒロイン声優さんたち、ホントにスゴイです!


 などとゴチャゴチャゆってる間に撫花(ぶけ)さんが起きてくれ……なかった。もしかして徹夜やったんかも知れない。

 まさかわたしを心配して……ってのは無かろう。漫画描きってそんなに大変なんや……などと尊敬と漫画家職業への恐怖を感じた。


 寝室を探り当て「おジャマします」と侵入。これも致し方ない行動だ。撫花さんの寝床から毛布を拝借して作業場の大男にかけてやる。……フー重かった。やれやれ、大仕事やったで。


 さて、問題はこの後や。

 わたしの目的は陽葵に謝るコト。撫花さんにちゃんとお礼するコト。それとついでに絵を教わるコト。一旦はこのみっつの課題がどーでも良くなって早く帰りたいなってなったけど、もうその気持ちは後ろに引っ込んだ。


 この理由ははっきりしてる。


 端的にゆーと撫花さん、あなたのおかげです。あなたが親身に接してくれたんで前向きな気持ちが取り戻せたんです。その点とても感謝してます。

 もしあなたがレインツでも、そうでなかったとしても、わたしにはどっちでもいい。

 サラさんと共謀したただのドッキリ好きのオジサンでも、わたし、一向にくじけず感謝できマス。


「……でも、ホントにレインツかどうか、確認はしたいよね……」


 なんせ前々世でのわたしのダンナさま。

 前世でのダンナ、リボルトセンセと違い、その、あの、……子供まで授かったほどの相手、やし。


 申し訳ないが、ジャマにならん程度に机周辺を探らせて頂きマス。

 彼、寝にくそうに机に突っ伏してるが、物があふれかえってて狭くてかなり辛そう。図鑑に、ノートに、それは関節可動するフィギュアなの? アイディア書いたと思われるメモ紙も整理できてなくってゴチャゴチャ。


「あ。このメモ、わたし宛……?」


 えーと。


『正面、側面、背面、俯瞰、あおり。同一キャラ・均等サイズで描いてください』


 フーム? それって結構ムズくない?


『正座、イスに座ってる。男女両方描いてください』


 うわわ、コレひょっとして、絵の勉強するための課題だ!


『15分で1セット、5分のインターバル、3セットペン入れまで済ましてください』


 ぎょえ、細かい指示。マジですか。


「んむう……。わたしがとろうとした行動を先読みしたような文面ですねぇ。探索どころじゃないよって話ですね、撫花さん? いいえ、あえてゆいますが、師匠」


 んまぁ……、やってやりましょう。


 えんぴつ、消しゴム、Gペン、ホワイト、製図用インクに漫画用原稿用紙。手書き時代のお絵描きセットをリビングテーブルにならべて。レッツ・チャレンジ。




◆◆



 我ながらド下手。でも一生懸命やったよ。

 南田センパイならムズカシイカオしながら、でも及第点はくれそう。


「出来たよ。撫花さん。――……いえ、師匠」


 ……もう。まだ寝てる。

 このままこんなところで寝続けてたら風邪ひくかも知れんよ?


 とゆって彼のこの体重。おそらくはわたしの3倍? いやマジでありそうやし。うかつに抱えようとしたら下敷きになって圧死しそう?!

 うーん、ロープ巻いて引っ張るのはどうやろか? ……アカンて、そのロープ、ダレが引っ張んのや。非力な女がひとりしかおらんよ?


「撫花さん、撫花さんってば。こんなトコで寝てたら風邪ひいて死んじゃいますよ――……!」


 冗談めいてゆった単語に「何ッ?!」 グッと涙があふれた。

 え?

 え? え、え、え、え、えー?


 なんじゃこりゃあ?

 きっとキーワードは「死んじゃう」ってコトバ。直感的にそー理解。


 モヤモヤっとした記憶の奥で手探るわたしの手。つかみどころが無く、どこか懐かしくて悲しい記憶のフタが開いた。


「……ねぇ、レインツ。キミどうして今頃になって唐突にわたしの前にあらわれたん? わたしがひとりで転生繰り返したから? それともキミも、陽葵が心配になったから?」


 まん丸ぷっくりとした寝顔に問いかける。

 きっとな、わたしきっとな、泣けるほどキミが好きやってんで? いまそれを実感した。


 でもさ。

 あやふやな記憶のままでごめんな。


「よし。こうなったらこのオトコのために昼ゴハンでも作ってやろう。絵を教えてくれようとする姿勢も有難いしな」


挿絵(By みてみん)

暗闇姫ハナヲ


本日まで連日お付き合い頂き有難うございます。


次回以降も書いたしりから掲載していくスタイルを続けます。

(つまり常時ストック無し)

途切れ途切れになってもどうか見捨てないでください。

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【以下テンプレあいさつ】

最後まで読んで頂き、本当に有難うございました。

「良い」と思った方はぜひ感想やブクマ、評価、いいねなどで応援をお願いいたします。

出来るだけ、つけたブクマは剥がさんでね(汗)


暗闇姫ハナヲと魔女っ子一同、そしてわたくし香坂くら、感謝申し上げます。

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