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【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
はっき 夢の世界のわたしは過去のわたしでもあって別の人生を歩んでる愛おしい人でもあって。

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01 創作活動は受験勉強に入りますか?

8期と称した続編、ユルッとすったーと!

異世界魔女っ子たちのドタバタ地味系・日常系・ファンタジーラブコメ!


 冬休みに入った。

 今日は南田(みなみだ)センパイからお呼びがかかって説教を喰らっている。


 水無月(みなづき)マナのおうちだ。

 目の前に置かれたおせんべいに手を出したいが……怖くてムリ。

 わたし、暗闇姫(やみき)ハナヲと水無月マナはこたつにも足が入れられず、正座で南田センパイと向かい合っている。


「だいたいな。わたしが血のにじむ思いで受験勉強してるってのに、オマエらはどうしてわたしの分までマンガが描けない? わたしはキミらのヤル気を心底疑うね」

「い、いゃあ南田センパイ。と申しますのも、わたしは脚本、暗闇姫さんはネームと役割が決まっておりまして……」


 バンッ!

 こたつのテーブルをブッ叩くもんだから、おせんべえが器からポロポロまろび出ちゃったよ。

 食べ物は大事にしないとね。

 仕方なく転げたおせんべえを手に取り、しばらくの間、キープする。


「言い訳無用。作画担当が居なきゃ、ふたりのどっちかがやるしか無いだろう?」

「わたし、試しに描いてみました」


 そっと手を上げた。

 怒りのレベルがちょっとでも下がりますようにと淡い期待を込めて、勇気振り絞り。


「おお、暗闇姫! それでこそわたしの見込んだ女だ! ――って、なんだコレは?! 下手すぎだろッ」

「ハナヲ、前はもっと上手かった……でござろう? どーゆー心境の変化でござるか」


「ああ、まぁ、多分これがホントの実力で……ゴメンナサイ。……モグモグ、ぱりぱり」

「つーか、謝るかせんべえ喰うか、どっちかにしろーッ!」

「ふあーい、すびばしぇーん!」


 最近は()()()()()()()の普及でわざわざ紙の原稿は作らない。かとゆって絵を描かないワケにはいかんのでお絵かきソフトの出番となる。

 ただそんな()()()()()な代物は暗闇姫家には到底入手できそうにない。

 とゆーコトで水無月マナ女史の財力のお世話になるのである。


「今日はわたし、家に帰らん。ここで受験ベンキョーする。キミらは年内の新作投稿を目指して奮励努力するように!」


 鼻息スゴッ。


「あのう……」

「なんだ、水無月クン。今夜の夜食は後で自分でコンビニに買いに行くからお構いなくだ」

「いえ、そーでなくって。……その、作画担当の問題は……。わたしは背景は描けるのでキャラ絵は……」


 南田センパイ、「ニカッ」とわたしを見た。……ヤな予感、とゆーか合点。


「ハイッ。暗闇姫ハナヲ、どうにか画力を上げて挙国一致体制で難局を打破するでアリマス!」

「うむ。その心意気やヨシ」


 つか、ゆっちまったものの、そんなカンタンにレベル向上しますかっての。


「暗闇姫はネーム切りの才能があるんだから、きっと画力もあるハズだ。自信を持て。そして努力しろ。そしたらおのずと道が開けまくるぞ!」


 いちおネームとゆーのを説明すると、マンガのコマ割りとかセリフのフキダシとか、ページのレイアウトを構成するコトで。下描き前のマンガの設計図みたいなモンかな。

 そうゆうデザインめいたセンスがあるんだから、絵もホントは上手く描けるハズだってのがセンパイの励まし、とゆーより叱咤激励なんだけどね。


「あのう、わたし。ちょっと知り合いに絵を教えてもらってきます。なので明後日まで猶予ください」

「知り合い? それ、暗闇姫陽葵(ひまり)さんでしょ? 暗闇姫さんの妹でしょ……でござろう! 彼女はひとりで長編30ページ描くって言ってたよね……でござろ! さらに負荷をかけるつもりでござるか!」


 そーゆや、ゆってたか?

 陽葵を口実に帰ろって思ったのに……! 水無月マナめ、余計な発言を。


 南田センパイが唸りだした。

 どう見てもわたしらのコトでアタマがいっぱいになっているようである。

 どう見ても受験勉強に身が入っていないようである。


 わたしらのせいか? わたしらのせいなんやろ。


「センパイ!」

「なんだ、暗闇姫」


「わたしに3日クダサイ」

「それはさっき聞いた」


「陽葵の他にも心当たりの人物がいます。3日後にもう一度画力テストをしてクダサイ! きっとマシになってます」

「マシ、ねぇ」

「ずいぶんマシ、のマシデス」

「ずいぶん、ねぇ。ま、分かった。暗闇姫のヤル気に免じて待ってやる」


 よっし。


「でも条件があります。3日後に南田センパイも小テストを受けてください。問題を担任の先生に作ってもらっておきます」

「な、何だと?!」

「そのテストで80点以上取ったらセンパイの勝ちです」


 センパイ、ニヤニヤとしだす。おせんべえを一枚取り、小包装を破った。


「かわいいヤツらめ。キミらのホンキをわたしは買う。80点だと? 満点とってやんよ」

「イエー、南田センパイ、カッコイイ!」


 水無月マナさん、それ以上センパイをあおらんといて。


挿絵(By みてみん)

熱血・南田センパイ



最後まで読んで頂き有難うございました。

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やみきハナヲと香坂くら、感謝・感激いたします。

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