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【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
ななきっ 学校ほっぽって異世界の騒動に首を突っ込んでる妹をこれ以上あおらんといて! 元勇者と元魔王魔女の仲を気にしてるおせっかいな姉が承知せんからね!

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にじゅろーく 別動隊行動開始

今回は携帯から投稿しました。

失敗してたら済みません。


 オメガの作戦が実行された。

 アルファとベータの、アステリア再編軍がそれぞれ行動を開始。

 敵対する隣国になだれ込んだ。


 持てる兵力をすべて投入した総攻撃の先制パンチやった。


「破れかぶれを装わなければなりません。それこそ敵がひくくらいの。両軍の進退は両将を信じて委ねましょう」


 オメガの言に(ノワル)姫が小さく首肯する。

 むろん領主スピア姫にも否やはない。


「わたしも陣頭に立ちたいのですが」

「いいえ。それは将たる振舞いではありません。玉座にしっかりと腰を据えて頂きます」


 (ノワル)姫に諭され、うなだれるスピア姫。


「姫。あなたは君臨し続ける事こそが戦いです。戦場に出て仲間と生き死にを共にしているだけが戦いではありません。アステリアの玉座を守り通してください。(サジェス)族と魔物(ミニュイ)族のためにも」

「――(ノワル)姫」


 陽葵、良いコトゆう。

 そうゆうキミも戦場に出たくてオシリ浮かせ気味の姿勢やけどね。


「バズス、ハナヲ姉、そしてシンクハーフ。アンタらは今からもう一度高跳びしてアルファ、ベータ軍が発見した石像を片っ端から破壊して回れ」


 片膝付きのバズス。


「ひゃい!」と応答。


「わたしもついて行きます」

「――かんなぎリンか。よかろ。ハナヲ姉の役に立て。――それとついでにコイツらも連れて行け」


 居並ぶ隊列の間から抜け出したのは輝く乙女(スプランドルヴェルジ)所属、ラルトさんやった。そしてもうひとり。


「武市……半平太くんッ!」


 驚きすぎて悲鳴に近い高音を発してしまった。


「あーやかましいッ。経過は移動中にでも本人らに訊け」



ζ'  ζ'  ζ'  ζ'



 なんのコトはなかった。

 武市くんはあれから京師サントロヴィールに残留し、ラルトさんとともに聖教会の内情を探っていたそうで。

 あ、ま、とゆーか、わたしらが彼を置いてけぼりにしてたらしい。


「いいや、自分の意思で居残ったんだ」

「それもちょっと違いますが、とにかく武市さんはわたしと行動を共にしてくれました」


 武市くん、咳払いひとつして。


「ま、そこは置いといて。オレに残された時間はあと僅かしかない。一緒に行動して少しでもキミらの役に立ちたいんだ」


 はにかんで左手を見せてくれた。

 うっすらと消えかけている。


 その手を握ったわたしは、


「いろいろ分かって無くてごめん」

「黙っていたオレのせいだから」


 彼のタイムリミットが気になった。

 すっかり青白くなった額や頬。このまま色を失っていくのか……。


「わたしと話がしたかったって?」

「あ、ああ」

「どんな話?」


 それはまた後で……と、困ったように彼は笑ってカオを逸らせた。


 短気なのか。わたしは。それとも再会を疑っていたのか。

 とにかく心が騒ぐのを止められなかった。


「武市くん」

「……はい」


 今度はゼッタイに放っぽっとかないから!

 ゆっくり話しような。


 きっと!



ζ'  ζ'  ζ'  ζ'



「催眠術です。聖教会は独特のまじないを駆使して相手を操る術を心得ています。姫殿下に術を仕掛けたのはヘルムゲルト王を名乗ったポレル少年。――彼はポルタヴィオン総主教の息のかかった司教などから施術を受け、自らの意思と関係なく姫殿下を篭絡した」


「フーン」


 長い!

 長いよ、ラルトさんっ。


 ただの一言、こうゆってくれたらそれでいい。


「ボクは無罪だ」


 それを証明したくって武市くんと捜査してたんでしょ?


「ポルタヴィオンという男の素性を探っていました」

「――それで何か分かったん?」


 ラルトさんと武市くん、うなだれた。

 うーん不首尾やったか。


「実在する人物であるのは確かです。400年くらい昔、魔女狩り部隊の急先鋒として漆黒(ノワルディジェ)姫と死闘を演じてたそうでしたから」


 ――それ、あんまり覚えてない。

 400年前ならとっくに魔女になってた時期やと思うが、それから転生し過ぎてか、記憶が混濁してるんですわ。


 (ノワル)姫がまだ(テネヴ)館にいて、わたしが父さんと北の森でなんかの()()()()()()の布教活動かなんかしてて……えーと……忘れたぁ。


「そろそろお話中断してもらってもいーですか。ここはもう敵地ですから」


 マジメな()()()()リンにたしなめられた。そやね、ごめんね。


「地図上やと現在地はパヤジャタの勢力圏内やね。……どこにも兵隊らしきものは見えんね」

「見えてたら大変ですよ。こちらから見えてると言う事は、向こうからも見えてると言う事ですから」


 シータンが遠望鏡を覗いた。


「えーと……あっち。北東方向の山のふもとに敵営があります。兵の数はざっと……三百。――さらにそこから少し離れた所に砦がありますね。そこが彼らの拠点だと思います」

「前線基地のひとつカナー。ツブしちゃおうゼ」

「バズス、興奮しないでください」


「ねぇ、肝心の石像は見えない?」


 遠望鏡を下ろしたシータンが首を振った。


「敵の行動は思ったより早いのかも知れません」

「石像はもう最前線に届けられてるって?」

「サイアクそのような想定も。その場合、相手に裏をかかれている可能性もあります」


 ラルトさんの推測はあくまで仮定。

 やが、もしそうやったら今頃アステリア軍は返り討ちに遭ってるかも知れん。


「アルファ軍とベータ軍が心配やな」

「いまさら不安になっても仕方ないでしょう。だったらもっと戦線近くに跳ぶしかないですよ、センパイ」

「そ、そうやね」


 リンの発言で気を取り直す。

 バズスに再度跳躍してもらい、国境付近に前進した。


挿絵(By みてみん)

キャラ紹介②サラ

次回もぜひお越しください。

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