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【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
ななきっ 学校ほっぽって異世界の騒動に首を突っ込んでる妹をこれ以上あおらんといて! 元勇者と元魔王魔女の仲を気にしてるおせっかいな姉が承知せんからね!

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じゅうに ハナヲ聴取

2021年10月26日400P到達しました! 有難うございます!

明日投稿予定だったのに、やっちまった。

剥がれたらハズイ……。

挿絵(By みてみん)

400ポイント達成! 感謝!



「わああっ?! な、なんだコイツら?!」


 武市くん、自分の背後に不審者たちがいるって思ってなかったみたい。

 何気に振り返り飛び上がった。


「武市くん、下がって!」


 仲間の盾になろうとするサラさん。ひたすらビビる武市くん。

 わたしはそんなふたりをなだめ、あえて黒装束集団に接近した。


「ハナヲッ、危険よ!?」

「おいっ暗闇姫ッ!」


「だいじょうぶ。この人たち、スピア姫の精鋭だよ」


 それでも警戒を解かないサラさんに、わたしのケータイを見せる。スピア姫との通話履歴が映っている。


「これは……?」

「スピア姫とのやり取りだよ」


 異世界なのに何故かつながるスピア姫のケータイ。

 ……あ。

 異世界人の彼女がケータイ持ってる自体ヘンやんね?


 実は以前、彼女に暗闇姫家の()()()()()を頼んだ時に持ってもらってん。

 何かとべんりやし、ね。


 おかげさまで昨日から色々彼女と情報交換してたのだった。


「陽葵にもあらかじめそのコトを伝えてたから、わたしをこっちに寄越したんやと思う」


 黒装束の集団は、わたしらに向かって片ひざつきの敬意礼をとった。


 この10人ほどの集団、スピア姫直属部隊、通称【輝く乙女(スプランドルヴェルジ)部隊】は、諜報、偵察、工作、ゲリラ戦闘に携わる少数精鋭部隊。いわばスパイ技能集団とゆっていい。


 乙女との名を有していても10人中2人、男性も混じり、このときのリーダーは、まだ年若い青年が務めていた。 


「姫殿下は無事です。アステリア領事館に立て籠もられた殿下は四方を帝都の治安部隊に囲まれ、防戦一方となっております。我々の部隊も一部残留しており簡単には陥ちませんが、館内の備蓄資材を考えると深刻の度合いは日に日に深まっております」

「うん。さっきも姫が室内の様子送ってくれてた。何とか元気にしてるみたいで良かったよ」


 リーダーの青年――ラルトさんは、ケータイに届いた写真を見てひっくり返りそうなくらい驚き。


「ひ、ひ、姫殿下が……ど、ど、どういう魔法なのですか?! これはいったい?!」

「これは魔法やなくって……えーと……だから。科学、かな?」


 他の連中も興味津々でわたしのケータイを取り囲んだ。


「ねえ、あなたたち。わたしの転移(ラトゥデション)魔力が阻まれる原因って分かる?」


 ずっとそのコトを気に病んでたらしく、ルリさまが質問する。


「はい。実は――」


 ――彼らがゆうには帝都の大門前に魔力を阻止する装置が備えられたそうで。


「2日ほど前、(ノワル)姫と漆黒(ノワルディジェ)姫が少数部隊を率いて攻撃を仕掛けましたがさしたる成果が上げられず……。わたしどもと情報の交換をして撤兵されました」


 陽葵や漆黒姫をもってしても破壊できなかった装置っていったい……。


「ところで。マージに疑われるような黒装束になってるのは?」


「帝都内で起こっているマージ擁護デモに紛れるためです。デモ集団がみなこの格好なのです。デモ隊と帝都治安部隊が衝突したときにスキを見て領事館に出入りしています。――残念ながら、これまで3名ほどが失敗して命を落としましたが……」


 その中には彼らの前リーダーも含まれていた。


「……」


 しかし、わたしとサラさん、ルリさまの腹はとうに決まっている。

 ……あ、武市くんもか。


「帝都内じゃ魔法が使えないのはよくわかった。それでもわたしたちはスピア姫に会いたいし救いたい。ぜひ連れてって」


挿絵(By みてみん)

武市くんビックリ



ζ'  ζ'  ζ'  ζ'



 数時間の徒歩を完遂し、帝都ヘルムゲルトの大城門付近に着いた。


 そこには入城待ちをする大小の商隊が多数たむろし、荷車や荷駄をにわかの宿営幕を張って滞留させていた。それらがまるでひとつの街のようになっていた。

 即席の市も開かれ一種のお祭りみたいな賑わい。商魂たくましいってよくゆったもんだね。


 ラルトリーダーの助言でわたしらも彼らと似た商人風の仮装をしていたので、違和感なく彼らに近付くことが出来、話を聞いてみた。


「厳戒令が敷かれたらしい。今朝からだ。……ほらあそこ、小門は開いているが、検兵が通せんぼしてるだろう? いちいちバカ丁寧に荷物の中味を調べているのさ」

「何のために?」


「調べているのはヘルムゲルトの兵じゃない。ヘルムゲルト連盟に属する領国の連中だ。武器の出入りを規制してやがる」


 ――と、それ以上は有料らしい。差し出した手を揺らし、口をつぐんでわたしの見なりを眺めだした。

 サラさん彼の意を汲んだらしく、フトコロの中味を数えた。


「はい。10銀貨(ドゥニエ)。もう少し話を聞きたいわ」

「これっぽちじゃ一日の稼ぎにもならねぇな」


 サラさん、5枚足した後に追加で5枚、「あなた、いい男だからサービス」とウインク付きで。


「へっへ、しょーがないなぁ。実はよ、大門の脇に設置された石像にあいさつするとすんなり通してもらえるぜ。ヘルムゲルトの僧会を牛耳ってる司教が布施を募っててな」


 それってもしかして、魔法遮断装置?!


「なんでも強力な()()()()がかかってるとかで、設置のためにヘルムゲルト連盟領諸侯がこぞって司教に献金したそうだ」


挿絵(By みてみん)

サラさん聴取


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