に シンクハーフ瞞着
駅から自転車で帰宅。
途中の、旧外環の交差点をちょっと上がったトコにあるお肉屋さん。
ここでコロッケを購入。
これがねぇ、メッチャ美味いんやって。今晩のおかず決定やね。
それと斜向いのスーパーに移動。ここのお惣菜も!
特にだし巻き卵がわたし的にオキニ。この味家じゃちょっと作られへんねんなぁ。冷えててもオイシイ。夕方やと値引きしてて更にお得! 嬉しいねん。コイツも夜の1品に加えるのです。
――で家に着くと、居間でシータンがいつものようにくつろいでいた。
そのアイス、昨日ケーキ屋さんで買ったチョコバッキー!
慌てて冷蔵庫に飛びつくと……あ、良かった、まだ1本残ってた!
「ハナヲは食い意地が張ってます。たかがアイスで必死すぎです」
「その言葉、まるまる返すよ!」
「ところでハナヲ。わたし陽葵が気になります」
「そうそれ! わたしも気になっててん。異世界で騒動が起こったってね、あんまり帰りが遅いし心配になってんねん」
「…………。あー、まーそうですね。ところで今日はサッカーの試合が中継されるそうですよ?」
シータン、自分で陽葵の話題振っといて、ナニ急に話そらしてんの?
「シータン、サッカーに興味あったっけ?」
「…………いえ、ちっとも。……あーまー、野球なら。今年もタイガース優勝ですかね?」
「阪神は10年以上前に優勝したっきり! ファンでもないのに口にすんな!」
「金本のアニキの采配は冴えわたってます」
なんなの。シータン。
「で? ふたりで陽葵を迎えに行かない?」
「えーあー、心配ないですよ。今度の週末に行きましょう」
「遠足かっての!」
――と、テーブルの上に領収書があった。
「これ、何の領収書?」
「あ、それ新聞代らしいです。今月の」
「……うち新聞とってへんよ?」
「えーと……だから新規契約で。あやめ池遊園地の入場チケット、くれましたよ? 3枚も」
わたし、ちょっと死後硬直しかけた。
「……まちんさい、シータン。勝手に契約しちゃったの? で、お金も払っちゃったの? どこから出して来たの? てーか、あやめ池遊園地ってもう無いけど? ……で、カンジンの新聞は?」
「いっぺんに質問禁止です。何を尋ねられたかもう忘れてしまいました。新聞はこれです」
――アサッテ君が載ってる全国紙。
1987年9月23日付。
「へー。南太平洋の方で金環日食が見れるって……って! いったいいつの新聞じゃいッ!」
例によってルリさまが拓いた異世界への通路が、ヘンなふうに影響を及ぼしてるのは間違いなく。いい加減カンベンして欲しいのである。こないだは危うく馴染みのスーパーがパチンコ屋に代わってしまうトコやったし、またか! ってカンジ。
とゆって通路が無くなっちゃうと、それはそれで大変困るんですが、ね。
「ルリさまったら、今度はナニ仕出かしたんやろ? 学校との直通通路はもう作らなくたっていいからね? そうゆっといてね?」
「……はー、まー。ワカリマシタ」
「もー。なんでイントネーションがヘンなん? もういいけど。……で陽葵を迎えに行くの? それとも留守番しとくの?」
「ハナヲ」
「なにさ!」
「ハナヲ!」
「やから、何さっ!」
珍しくシータンが狼狽えている。
けどね。
わたしはもう騙されんよ? シータン案外名女優なときあるからね。
「ま、とにかく先に用事済ませるから、わたし」
堪能したアイスに手を合わせ、棒を処分。お風呂の準備をしようと居間を出掛けた。
シータンのいつも以上の挙動不審ぶりに愛想を尽かす。
もうわたし独りで陽葵を迎えに行くとしよう。
「シータン。そろそろ帰らないとカエさんが心配するんやないの? それとも今日はお泊り?」
その問い掛けに、シータンがポツリ。
「でも。帰ろうにもアステリアへの通路が無くなってますので」
「ん? 何やって? もっかいゆって?」
「通路、無くなっちゃってますので」
「な~に~ィィ?!」
「わあぁ。般若の面を見てるようです」
もーっ!
もう少し危機感持ちんさいっ!
ごまかすシータン




