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【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
ななきっ 学校ほっぽって異世界の騒動に首を突っ込んでる妹をこれ以上あおらんといて! 元勇者と元魔王魔女の仲を気にしてるおせっかいな姉が承知せんからね!

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いち 男子告白


挿絵(By みてみん)

「ななきっ」スタートッ!


ζ'  ζ'  ζ'  ζ'


 悶々としてる。

 授業中も彼女のコトが気になって集中できひん。


 彼女。そう、陽葵(ひまり)


 あの子、わたしの方のゴタゴタ(※ろっき)が解決してからもう3日も経つのに、何の音沙汰もなく。

 漆黒姫(リラ)はアステリアの領府レイシャルに引っ越ししちゃったし、ガッコー休んで訪ねてみよーかな。


暗闇姫(やみき)ー」

「――! はいっ」

「45ページ、読んでみろー?」


 うちの担任だ。

 見た目ボヤーッとしてる風で、結構するどく油断や怠慢を衝いてくる。


「はいぃ。……えーと……」

「今は国語の時間だー。英語の教科書はしまえよー」


 ……う。また恥をかいてしまった。


 ここでいっそドカンと笑いが取れればまだ救いがあるけど、誰も反応する者無し。だって来週から中間テスト、――やもんなぁ。そりゃピリつくよねぇ。……ガクッ。


 ホームルームのあと、階段の踊り場でひとりの男子に呼び止められた。わたし、掃除当番やったそうで。


「なんならオレ、手伝ってやろうか?」


 ダレやったっけ、この子……。

 惟人よか少し背が高い気のするメガネの少年。

 無造作に伸びた明るい系の髪が、そのメガネと耳全体にフワッとかかってる。


「あ。大丈夫。教室に戻るし」

「な、なぁ。暗闇姫。お、おまえさ、か、か、カレシいるの?」

「カレシ? ……居ない」


 少し前にフラれたばかりです。キズ口に塩を塗り込まないで欲しいです。


「いつもさ、放課後とっとと帰るだろ? ……もしそーゆーんじゃなかったら、オレと付き合ってくれ」


「……ホンキでゆってんの? いーよ、別に」


 ……アレ、わたし今、「いーよ」ってゆっちゃった?

 あまりに上の空すぎだ。


「ま、マジで?! ホントか?! いっし!」


 ガッツポーズをとる男子。

 そんっなに喜んでくれてんの? こっちこそマジで? ……ま、いっか。


「掃除手伝うから一緒に帰ろうぜ?」

「……え、いきなしカレシ面?」

「えっ? ダメ?」

「いーよ、別に」


 それよりキミの名前が知りたい。ついでに人柄も。

 ……ゴメン。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「暗闇姫って姉ーちゃんなんでしょ? あのふたりの……」

「え? あのふたりって、陽葵(ひまり)惟人(これと)? そーやで?」


 そっか。あらためて認識。つコトはこの男子、わたしよか()()()年下や。だってわたしは1年留年してるんやもの。


「あのふたり、中一とは思えないよな。他のヤツらより一等とびだしてるっていうか、やたら目立ってるし」

「その点わたしはジミかなぁ?」

「あ。いや。地味ってか……その、カワイイ?」


「は? よくそんなヘーキで()()()()()()ゆえるね」


「おべんちゃら……?」

「心にもないお世辞ってイミ。……って、……別にいい。なんもない」


 テレテレしててもゆーコトゆーね、近ごろの男子は。こっちがその倍テレるよ。


「わたし駅から電車なんやけど? 地下鉄。奈良方面」

「あ、オレも同じ。吉田駅まで」

「へーそーなんや。んじゃ途中まで一緒やね。……てか、今までもずっとおんなじやったん?」

「そーだよ。気付かれなかったって辛ッ。毎日電車でカオ合わせてたのに」


 そ、それは申し訳ない。


 駅までの10分間、少年は多少声を上ずらせながら、ずっとしゃべり続けていた。


挿絵(By みてみん)

ハナヲと武市くん



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