さんじゅご。 ろっき最終回!
その後わたしらは早々に闇館を退去し、自宅に戻った。
帰りは漆黒姫付きで、ね。
あ、それとお供の執事四天王も。
(その他キャストの皆さんはひとまず館に居残ってもらった)
「ハナヲ。まだプリプリしてますね?」
「そりゃ……当たり前や。ゲンコのヤツ、結局ヒトコトも詫びひんかったし! シータンだって、そのドテラ……」
シータン、わたしにしがみつき。
「いーんですよ。わたしの代わりにハナヲがそういう風に怒ってくれてるだけで充分です」
「わたしもだよ? マカロンとわたしの心配してくれたでしょ? アリガト」
「あ……いや別に」
ルリさまも加わり、魔女っ子ふたりからギュッとハグされ、テレテレクラクラ。何だかホッコリ。
「あーほんまキショイなぁ。アンタら。いっつもそーやってちちくりあってんのか?」
漆黒姫が居間のソファ(繰り返すがわたしんち)を占拠し、ふんぞり返って悪態をついた。
「ところで漆黒姫さま。わたしたちの今後の住まい、いかがいたしましょうか」
女子高生風筆頭執事の女の子、えーと名前はなんだっけ……が不安そうに言上する。
かんなぎリン執事頭も、同様にかしずいて彼女の言動に傾聴している。
小学男子バズスは元通りの姿に戻され、成り行き上、リンの横で直立不動してる。
「ゲンコの呪いも解けたコトやし、このままこっちの世界で暮らすのもいーが」
先の公言通り、アステリア領魔法学校の隣接地に家を建てて暮らすとゆう。
闇館のキャストたちもそこに呼び寄せるとのこと。
いーんやない、それで?
「スピア姫の許可は取ってんの?」
「それなら心配ないと思います。黒姫を通じてわたしからお願いをしておきました」
シータンの、抜かりない報告。
「シンクハーフとやら。貴様、見かけによらず優秀だの。いっそのこと、かんなぎリンと入れ替えるか」
「ええっ! そんなぁ、漆黒姫さまぁ」
「ふふ。じょーだんや。今回はかんなぎリン、貴様と執事どもには世話になった。感謝する。ありがとう」
……は?
いま何と?
「光栄の至りでございますう! 漆黒姫さま、いえ正冠さまぁ!」
「なつくな、ウザイ! 減給1ヶ月だ」
「うえええッ?!」
……まいっか。
賭けゲームはあやふやながら、終わっちゃってんし。
案外とリンも楽しくやってるっぽいし。
「ねえ漆黒姫。今晩はわたしの作ったチンスパ、食べる?」
「チン……やと? 卑猥な発言、捨て置けんな」
「レンジでチンするパスタで、チンスパ。おいしいよ?」
「それ、作ったって言えるんですか? センパイ?」
……んーと。そーゆわれると確かに。
漆黒姫が普段食べてるものとあんまし変わらんかも。
「ここはハナヲお姉さんが腕を振るって、手ごねハンバーグでも作るべき流れですね」
シータン! 余計な一言を!
「おおう! その話、のった! わたしは今からフロに入るからな、上がるまでに完成させてーな、ハナヲおねーちゃん」
「ええっ?!」
「返事は?」
「分かったよォ」
漆黒姫さま、これまでで一番楽しそうな笑顔で「記録」と叫んだ。
ろっき。お終い。
20220215みんなで「じゃあね」




