じゅうご。 闇館ブキミやね?
「ハナヲ。わたし、オナカ減りました。早く終わらせてオウチに帰りたいです」
「だよね。ヘンタイジイさんに付き合ってる時間がもったいないしね?」
シータンとルリさまに激しく同意っ。
「ミズーリジイチャン、要は闇館で探し物をすりゃいーんでしょ? とにかくそこに付き合って。わたしら側の立会人になってもらうから。で、リンは漆黒姫側の立会人ね」
「ハナヲの言う通りです。わたしたちが、おふたりに教えてもらいたいのはひとつ。館から何を探し当てたら良いのか? その一点です」
「そうそう。わたし、学校があるから言うほどヒマじゃ無いんだって。ヘンタイじーさん、さっさと教えなさいよ」
「まぁ待てい。実はワシも具体的な話はいまいち理解しとらんのじゃ」
「どーゆーコトなんっ?!」
「あなたお年寄りの皮を被った詐欺師ですか?」
「結局なーんも知らないんじゃないっ」
「ま、まぁまぁ」
わたしら3人の詰め寄りを受けて、ミズーリジイチャンはタジタジとなった。
「探し物などについてはわたしからご説明します。現地でオリエンテーションしますので、まずは闇館に向かいましょう」
「おーおー。メンドーなコトじゃ」
ミズーリジイチャン、アンタがゆーか!
εξ εξ εξ εξ
闇館に着くと、かんなぎリンは自前のバックに仕舞っていたボールペンを執拗に点検しだした。漆黒姫の千里眼(盗撮)を防止する魔法アイテムだ。ナイショ話や隠し事をするときに使うもので、闇館の従業員はすべからくこのアイテムを所持しているという。
かんなぎリン、確かアンタこないだそのアイテムの存在知らんかったよね?
ハブられてないか?
「しっかり動作確認しておかないと。……これでよし。では皆さん、とりあえずテーブルについてください」
まどろっこしい、とっとと口頭で説明しろ……と思いつつも座る。
地獄を描いた宗教画が飾ってあるかと思えば、その横にもげた首を抱えた魔女の彫像。赤茶けて剥げかけた壁。古めかしく蜘蛛の巣の張ったシャンデリア。どれをとっても闇の館にぴったりの、黒々とした邪を感じる内装や。
さぁ、まず誰から死ぬ? って聞かれてる気分。
バサッと白いカーテンが降ってきた。
スクリーンらしい。所々穴が開いたり破れてるし。
8ミリ映画ばりの「カタカタ音」が鳴りだし、トーキーな映像が流れた。
「では今からこの賭けゲームについてのガイダンスを流します」
本格的にウザいっ!
横を見るとシータンが、もうすでに寝息を立てていた。
あーあ。先越された。
ハナヲ「先越された」




