じゅうよん。 気を許したらアカンで?
シータン、ルリさま、そしてわたし。
魔女っ子3人でミズーリジイチャンを訪ねた。
賭けゲームの見届け人になってもらうためだ。そもそも当事者やしね。
「ミズーリさん。とっととゲームを終わらせるよ。具体的にはどうスタートさせるの?」
「うっは。美少女魔女っ子が、揃いもそろってワシのお情けを受けたいなどと。これはオジイも奮起せんといかんなぁ」
「……ハナヲのセリフが聞こえなかったようです。ゲームの前に、まずは耳鼻科に連れて行ってあげるべきでは?」
「いっそ警察でいいんじゃない?」
シータンもルリさまも不快度を急上昇させている。
まーまー。
アホなオトコどもの脳内なんて、だいたいこんなもんやで?
口に出してるか出してないかの違いだけでね。
「ひっひ。ノド乾いたじゃろ? お茶をどうぞ。あったかいうちに」
「それ前に一度喰らってマス。あなたの出したものには二度と! 一切! 手をつけませんから!」
きっぱりとわたし。
前は睡眠薬。今度は……いったい何を混ぜてるのか分かったもんやない。
ルリさまとマカロン、ビクッとして湯呑から手を引っ込めた。アッブナイなぁ。
「眠っとる間に済むで、痛い思いせずにエエのに……」
「こっの、ゲス外道。何をなんやッ! ったく。……もういいから、早く始め方ゆってよ!」
「ただのスキンシップじゃのに」
ミズーリジイチャン、口をとんがらせて部屋の隅の電話で話しだした。
すると、薄暗いキッチンでガタガタと物音。
こっわ。ジイチャン以外に家に誰かおんの?!
「――わたしです。漆黒姫の執事頭、かんなぎリンです」
「リン?! アンタいったいどっから現れたん?!」
リンの説明ではミズーリジイチャンは現在、漆黒姫の暮らす闇館のゴミ回収を引き受けてるそうで。
「このボロ屋敷の勝手口と、闇館の産廃置き場が繋がってるんですよ。巷の相場の半分の費用で請け負ってくれていますので」
「ボロとか言うな。――闇館のヤツらブルジョワでのう。生ゴミとか、まだまだ食べれる物を捨ててるんだぜい? それに空き缶やら空きビンやら、漆黒姫さまが口をつけた物かも知れねえモンがたんとあるしの。ウシシ」
……ウゲ。話広げて後悔した。
「アレ? ところでリン、アンタ筆頭執事やなかったよね? 確か高校生の制服を着た女の子が長や無かったっけ?」
「制服のあの子は筆頭執事。わたしは執事頭です。なお、バズスは執事リーダーです」
「はあ?」
「いざというときに責任の所在をあいまいにするため……もとい、皆に責任感を持たせるためにこのような組織編成にしているのです」
漆黒姫からのパワパラ対策ね。
……この話もツッコむべきやなかったか。
ハナヲとルリさま「あっぶなぁ」




