表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
ごきっ 魔女っ子だって女の子だもの、たとえ異世界の住人だろうとラブコメ展開しちゃうから応援してほしいっ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

155/326

さんじゅうっ。 「えーさらばなの? 戦友たち」


 南田センパイ隊長指揮の下、わたしらの同人原稿執筆部隊はいよいよ修羅場を迎えていた。


 わたしらの執筆スタイルはテスクトップPC1台とノートPC2台を武器に、アナログ手法を混ぜた方法で、最終的にはデータ入稿を行うことを前提にしている。


 3台のPC君を拠り所にしてるため、必然的に隊長の南田センパイとペン入れ頭のマナ、そして今回からのニューフェイスとなった陽葵の独占使用状態になっている。


 下描きからペン入れ、ベタ塗りまでを終えた紙原稿をスキャニングしてから、改めてPC3人のデジタル小隊が手直しするってゆー手間ヒマかけた手順を踏んでいるのは、トーゼン完成の精度を上げるためなんやが、これが結構メンドーくさい。


 今晩わたしが担当しているベタ塗りも、ムラがあればスキャン時にすぐにバレて手直しを命じられるし、かすれ線や消し残しなんかもデジタル小隊がしてくれたらいいのに、その役割を担っているとされるアナログ小隊の側がどやされる。


 アナログ小隊所属のシータン、ルリさま、わたし、そしてから惟人、オマケのリンは始めにデジタル小隊(PC3人組)が上げたネームを元にキャラと背景の下描き、ペン入れ、消しゴム、ベタまでを行ってから、原稿のスキャナー取り込みをおこなう。

 B4サイズの原稿を、A4スキャナーで分割取りするから割とメンドい。


 そのあとを引き受けるデジタル小隊は印刷屋さん指定の枠合わせ、ペン入れ修正、書き文字や集中線などの効果線足し、トーン、フキダシと文字、ゴミ取りなんかの任務を遂行して原稿完成へと導く。


 メインとなる32ページのストーリーマンガに加えて1本の短編小説、イラスト数枚と、表紙、裏表紙、編集後記に奥付なんかをくっつけると、そこそこの本が出来上がるハズなのだ。

 みんな何らかの任務が与えられているために少しサボっていると知らん間に未処理の作業が目の前に山積みにされる。


「ハナヲ、ヒマリン、惟人! おせーっ! さっさと席について仕事しろっ!」


 南田センパイ隊長の怒鳴りに3人そろって「はいっ」と返事してしまう。


「ねえ南田センパイ。そろそろ夜中の11時ですよ? 夕方に帰宅してからぶっ続けですし、そろそろ身体を休ませませんか?」


 おっ?

 命知らずのリン曹長が提案を持ち掛けたぞ?


「……あー、そーだな。小学生の女の子にはちっとばかり無理があったかな。大人たちのコトを気にせず、先に寝てていーよ?」

「わ、わたしそんなつもりで言ったんじゃありませんっ。小学生だってバカにしないでくださいっ」


 あ、アホっ。リン、アンタが口火を切ってくれへんと、みんなが雪崩を起こせへんやんか!


「そーですよ、南田センパイ。小学生とか中学生はカンケーなく、そろそろ寝支度しましょう。また明日一日、精一杯続きをするためにも、ね?」


 こーなったら多少強引でもわたしが場の空気をけん引してやるっ。


「え? ハナヲ、もう集中力途切れちゃったんですか?」


 シータン?! 思わぬ刺客キターッ!

 どちらかってーと彼女は雑多な任務をこなしてて、イヤイヤ気分で付き合ってるもんやと思ってたのにーっ?!

 ……と立ち上がった? れーぞーこに向かった? 中味を物色し魚肉ソーセージを取り出しパクリ。……そのまま静止? 寝ちゃってる? やっぱし?!


 君こそ集中力切れちゃってマスねー(怒怒)!


 リンの弁、再開。


「真面目な話、正五位さまとココロクルリは明日学校ですし、そろそろ帰らないとなりません」

「魔女学校は夏休みやないの?」


「実は学生街でカモナン病が流行ってて、ちょっとしたマンボウ状態だったんですよ。その間学校が休校しがちだったたら、授業の遅れを取り戻そうとして夏休みがズレ込んでるんです」


 こないだその病気に罹ってシンドイ目をした惟人が、イヤそうに横を向いた。

 それは大変や。


「学校か。なら仕方ない。関係一同はこれにて解放だ」

「――あ。なら宿題もらってるわたしも、ですよね?」


「……テメー、どの口が言ってんだ? あぁ?」


 ドサクサに紛れて一緒に逃亡しよーと思ったのに。アカンかったぁ。


 アステリア傭兵団の魔女っ子らを失った我がアナログ小隊の運命はいかに?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ