表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
ごきっ 魔女っ子だって女の子だもの、たとえ異世界の住人だろうとラブコメ展開しちゃうから応援してほしいっ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

133/326

じゅう。(ぜんぺん) 「異世界へ団体さまご案内~(1)」


「センパーイ、ヒドイじゃないですかぁ! 家を訪ねたらもぬけの殻だし、シンクハーフさんは休暇取ってるってゆーし。それに、わたしだけ置いてけぼりなんて!」


 ――と、見た目女子小学生の(かんなぎ)リン。

 わたしと同じ、転生魔女っ子。


 にしても相変わらず、やっかましー高音ボイスやね!


「この子、スッゲーんだよ。大学生どもをヘンな術使って次々に地面に転がしてさ……!」

「それって魔法かなんかですかっ?」


 興奮気味の南田センパイに、グイグイ喰い付く水無月かな。


「わっかんねーよ、でもハナヲの知り合いだったとはな! ハナヲのトモダチは奇人変人の愉快な人らばっかだなあ!」


 南田センパイがホメてるつもりなのはちゃんと伝わってる。けども肯定はしたくないっ。

 リンがコソコソと耳打ち。


「……ところでハナヲセンパイ。あのふたり、分析したんですがごくフツーの人間ですよね? なんでこの場に居るんですか?」

「……あのね、それはわたしのセリフだよ。田中がどーしてここに居るのか?! の方が気になってるよ」

「えーん。センパイったらわたしのコト、田中呼びに戻ってるー。ちゃんと()()()()()【大好きなリンちゃん】って言ってくださいー」


 あーわかったわかった。


「――でさ田中。何しに来たん?」

「『何しに来たん』ですと? ――なんて冷たい言い方。さっきも久しぶりに会ったのに、シカトして行っちゃいましたよね?」


 イライラしてきたっ。はやく質問に答えろってーの!


「あー、ごめんごめん。――で、何の用事でわざわざここまで追いかけて来たん?」

「はぐらかしですかぁ?」


 キーッ、ウザさいつもの3割増しくらいある。

 このまま放置してたら経験上、ますますこの子はチョーシに乗って暴走する。南田センパイとマナが居なけりゃ、キッツーイお灸を据えてやるところなんやが。


「まず用事をゆってクダサイ」

「アステリアのスピア殿下に頼まれたんですよぉ。センパイを迎えに行って欲しいって」

「……あなた、いったいダレの部下なんですか? 正冠(せいかん)さまのしもべだったでしょう?」


 カップアイスのフタをペロペロしながらわたしらの会話に割り込むシータン。それやめなさい。


「基本はそーですが、わたしは困ってる人を助けるのが信条なんです」

「フーン。……で、()()()助けると?」

「ヤダなぁ、正五位(シンクハーフ)さま。……()()()


 報酬に眩み、なんでも安請け合いする、元サラリーマン、わたしの同僚、TS魔女っ子、(かんなぎ)リン。旧名、田中秀一クン。

 【よんきっ】に出てないから悪いけど存在忘れてたよ。


「センパイいま、邪な思念発しましたね? もしかしてわたしがウザイってんですかっ?」


 あーそーなんだよ。

 わ、涙ぐむな! いちいちスルドイな、もー。


「ねぇ、気になってるんだけど。リンちゃんだっけ、ハナヲの親戚か何かなの? ずいぶん親しそうだからさ?」

「親戚……と言いますか、センパイはわたしの恋人ですね。将来は籍を入れてひとつ屋根の下で暮らすつもりなんです」


 水無月まなと南田センパイが異常な喰い付き!


「なんですと?! 恋人?!」

「お、オマエ! 今なんつった?!」


「ナニって。だからわたし、ハナヲセンパイの――」


 ――と、そこまでゆってセリフを止めた。

 確言を避けたのは恐らく、南田センパイの目に()()()()()ためだ。


 シータンのひそひそ声。


「ややこしいですね。痴情のもつれに発展する前に何とか関係を清算しなさいな」

「分かってるよォ……てか、なんやの?! 痴情のもつれって」


 まったくメンドーなんやからっ!

 こうなったらもう、強引に締めてやる!


「みんな。忘れてやしませんか? ただいま時刻は夜の10時。あと1時間で花火タイムが終了します! 早く浜辺に行きましょー!」


 全員、時計を凝視し「わあっ」とあわてた。

 ……やれやれや。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ