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【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
ごきっ 魔女っ子だって女の子だもの、たとえ異世界の住人だろうとラブコメ展開しちゃうから応援してほしいっ

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はちっ。「南田センパイのカン違いなじぇらしー」


 別荘の前で南田センパイが待っていた。

 惟人、マナとは時間をズラして帰っている。だからわたしひとりだ。


「ハナヲ。ちょっとカオ貸せ」


 イヤだとゆっても、自分にとっての不都合はまーったく耳には入らない人なので素直に従った。

 肩を抱かれて、まるで()()()()のように浜辺に連れて行かれた。

 ……あ、アベックってのはカップルの意ね。ついつい昭和語使っちった!


「あのよー。マナと何かあったのか?」

「い、いや……べ、別に」

「花火買い出しとか言ってたそうだが、そりゃウソだろ? ホントウは別の目的で抜け出したんだろ? そーだろ?」


 やたらスルドイね、このおねーさん。


「なんでウソやと?」

「白良浜はな、花火禁止なんだよ」

「なっ!」

「……さぁ、言え。ホントのコトを」

「ど、どうヘンやったんですかっ。マナがっ?!」


 眉間を寄せた南田センパイ。


「どうもへったくれもねーよ。ニヤニヤ・ボーっとしやがって、ベタ塗り間違いばっかなんだよ! オメーはオメーでネームちんたらしてるし、これじゃあ合宿してるイミねーよ!」


「はー。……えー。そのー……」

「ハッキリしねーな?! どーなんだ! ハナヲ! オマエ!」

「は、はいっ?!」


 おでこにおでこを当てられた。わたし、浜の砂に埋まりそうなくらい、身を縮めた。


「ハナヲ! オメー、さては()()()()()()()だろッ?!」

「はいっ!」


 ――?

 アレ……?

 思わず「はい」ってゆっちゃったけど、……質問違った?


「やっぱり。アイツも同じだったんだな」

「ち、ち、ち、ちょっと待ってクダサイ! ……いま、なんて質問したんすか?!」

「……ハナヲよ。わたしとマナは今日から恋敵になった。幾らトモダチでも、ことオマエに関してはわたしは一歩も譲らねぇ。だからあらためて宣言しとく。――わたしはオメーが好きだ。マナにはぜってい負けねえ」


 カン違いに次ぐカン違いですっ!


「南田センパイ! さっきの言葉取り消します!」

「な、何だと?! わたしの一世一代の告白を無下に取り消したいだと?!」


 ちがーう!

 そのもういっこ前のわたしのセリフをだーっ!」


「はいの部分ですっ!」

「ちっきしょー! そういうトコははっきり言うのかよ。そんなにマナの方がいーのかよ!?」

「やから、カン違いのカン違いですってぇ! おでこくっつけないでーッ! 息かかってますー!」

「わたしがそんなにイヤなのかッ?!」


 え?

 急にカオゆがめた?!


「そんなにわたしがキライなのかッ?!」

「ちっ、ちがい……」


 完全に押し倒されてるわたしにブワッと水滴が降りかかる。

 鼻水まで垂れ流した、南田センパイの涙粒だ。


「あーっあーっ! わたしも南田センパイがダイスキなんですって! マナはあくまでトモダチなんですって!」


 もう何が何だか大混乱の渦中、空気の読めない電話が鳴った。

 ダレだ、もおっ?!


『いま……良かったかしら? スピアです』


 なあっ?!

 スピア姫?!


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