表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
よんきっ 追放された中一勇者と敗残した魔王魔女っ子が異世界に通じてる我が家を壊しまくるので困るっ!キュン死するほどデレられてもシケイ確定やしっ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/326

さんじゅうきゅうわっ 「おしおき延長した」


 パヤジャッタ陣営で動揺が起った。

 その混乱を衝く!


魔狼(ベデル)隊、突進! 行くぞッ!」


 号令するはリボルトセンセ。

 巨大な銀色毛のオオカミたちが実に50体以上、人馬の兵軍と一丸となって敵陣営になだれ込んだ。


「人間と魔物たちの混成部隊だ……!」

「……アイツらは【疾風(クーデヴァン)銀色狼(ヴァンルー)】。……シンクハーフの仲間たちや。それが騎士たちと――!」


 陽葵の補足には感極まった震えが滲んでる。

 人と魔物が同一部隊を組むのはよっぽどあり得ん出来事らしい。


 ()()()()の魔法でオタオタしているところを攻め込まれたパヤジャッタ勢は当然大混乱。

 人質兵らは助け出され、突撃部隊に加わった。


 シータンが生徒らに「大変よくできました」と拍手。


「では続いてココロクルリ」

「はいっ。シンクハーフ先生!」

「同じ要領でスピア姫を解放しに行きます」

「はいっ、先生! それでは跳びます。みんな、いーい?」


「はーい。ココロクルリさん! お願いしまーす」

「んじゃっ。本陣へごー!」


 行っちゃった。慌ただしいな。


「今の、漆黒(ノワルディジェ)の指図?」


 陽葵の問いに首を振る正冠さん。


「わたしはただの引率者や」

「じゃあ」

「そこなハナヲお姉ちゃんとシンクハーフからの依頼や。ふたりして相談に来おったんや。ま、二つ返事でオッケーしたよ。だってオモシロそーやったし。生徒らも張り切っとったし、ヨカッタヨカッタ」


 すっかり興ざめしたカオで口をつぐむのはシカトリス。

 惟人と陽葵からも見張られ退散もままならない。


「シカトリスよ。さっきの生徒らを見たか? イキイキ明るくしておったろう? オマエはそんなあやつらの通う学校を蹂躙しようとしとったんやぞ?」

「……」

「400年前、どうしてわたしが(アヤ)姉さまをオマエから引き離したか、分かるな?」


 シカトリスのまぶたがピクリ。

 恐らくコイツは思った。

 ――また始まったぞと。正冠さんの長説教が、と。


 でもその態度がアカンのよ?


 いーコトゆってんだよ。正冠さんはな。


「正冠さん。わたし本陣の様子、見に行ってきます」

「……なんやとォ、わたしの長いお説教に付き合われへんと、そーゆーワケか?」


 う! そ、そーゆーワケや無いのデスガネ。

 ヤベー。勘がスルドイなーこの幼女。


「幼女のクセにと思ったか? ハナヲお姉ちゃん?」

「ゆってません、ゆってません。シカトリス、ここは素直にお説教を聞いて。そうして黙って手を引き給えよ?」


「ハナヲ姉。ゆっとくがな、シカトリスは400年前、アンタにも手を出そうとしたんやで?」


 ん?

 なんですと?


「そして真偽を問い質すため呼び出した漆黒(ノワルディジェ)にも手を出そうとした。……で妹は怒ったんや」

「……陽葵(リン)、知ってたんか、それ?」

「当時ハナヲ姉(ナディーヌ)から聞いた。それで冷めた」


 ジロリと()娘からにらまれるシカトリス。


「キミに聞きたい。キミは今でも黒姫(アヤ姉さま)を愛してるんか?」

「……当然だ。だから迎えに行こうとした」

「当時、わたしを口説こうとしたのは、わたしが好きだったからか?」

「間違いない」


 首をかしげ考える風の正冠さん。


「ではナディーヌ(ハナヲ姉)は今でも好きか?」

「ああ。間違いない。生涯の愛を捧げたい」


 うーんと唸る正冠さん。


「つまるところ、わたしら三人とも愛したいとゆーコトなん?」

「……そうなるな」

「うーんと。それなら仕方ない。……シカトリス。やったらわたしのお願いを聞いてくれるか?」


 ……あ。


「なんなりと」


 ……それ!


「グリーンルームでさらにしばらく反省してくれ。【記録(レコード)】」


 来た!

 やっぱり!


 グニャリと二つ折りになったシカトリス。

 その顔は青ざめていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ