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【完結御礼】黒姫ちゃん、もっかいゆって? ~ 異世界帰りの元リーマン魔女っ子なんやけど転生物のアニメっぽく人生再デビューしたいっ ~  作者: 香坂くら
よんきっ 追放された中一勇者と敗残した魔王魔女っ子が異世界に通じてる我が家を壊しまくるので困るっ!キュン死するほどデレられてもシケイ確定やしっ

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さんじゅうはちわっ 「正冠さん。」


「シカトリスよ。わたしゆったやんなぁ? グリーンルームを出所したら、何をさておいてもまずはわたしの愛しきお姉さま、黒姫(アヤ)嬢に詫びに行けよ? とな」

「……。それは果たした」


 ケタケタ笑い染まらんうちに「シラッ」と冷血な真顔に移ろう。

 氷のような目付きでシカトリスを()めつける漆黒(ノワルディジェ)姫こと正冠(リラ)さん。


「アンタさんはその応え、ウソやないと胸を張ってゆえるのか? (ノワル)三位(さんみ)『本当だ』と、相違なくゆえるのか?」

「……言える」


 ……わーお。正冠(リラ)さんペースに迷い込んでるよ、剣士(シカトリス)くん? だいじょうぶなの? そんな答えでホンットに?


 場を和ませるために割り入る。


「ところで正冠(リラ)さん、遅いよ。ちゃんと約束した時間に来てよ。学校で習ったでしょ? 遅刻はダメやって」

「ああ、ごめんごめん。なんせ外に出るの久しぶりやったし、日焼け止めしっかり塗っとかな思って。にしてもハナヲお姉ちゃんが殺されてなくってよかったよぉ、テヘ」

「日焼け止めって。それ年中ゆってるね。アンタ、ドラキュラ?」

「ドラキュラは塗らんぞ、クリーム?」


 相変わらずのマイペースぶり。この幼女さんも。わたしも。


「ときにシカトリスよ。あんさんオーサキアンに城を築くとゆーたか?」

「……城? ……それが?」


 シカトリス、トボけてる。


「偶然なんやがなあ。オーサキアンの地には、わたしにとってすごーく大事な物があってなぁ。……質問なんやが、シカトリス()はそのことを知っとりましたかー?」

「……あ、いや」


 シカトリスの握る剣の先がブルッと震えた。

 面頬(めんぼお)の隙間から多量の白い息が漏れ始めている。


「そっかあ、知らんか。知らんなら仕方ないよな。実はその地にな、人魔共学の魔法学校があんねん。わたしと黒姫(アヤ)お姉ちゃんは、その学校のエライさんやねん。……やからな」


 リラさん、言葉を止めた。

 シカトリスに近接し、彼の面頬(めんぼお)を剥ぎ取った!


「――!」


 うっわ! ナニッ、その透き通るようなキラキラ艶の肌! その涼やかな眼元。まっすぐ通った鼻すじ! 予想外の美形に愕然だ! 元オジサンだったわたしの嫉妬心が疼きまくるッ! 


「……やから。うかつなコトゆーたら、すっごーく辛い目に遭わされるかも。やーで?」

「……」


 正冠さん、胸のあたりに挙げた手をヒラヒラさせた。合図や。


 数秒後、シータンとルリさまが裂けた空間からあらわれた。

 ふたり以外にも、ぞろぞろと! 出てくる出てくる! ざっと20人くらい。


 全員、その恰好は同じ。なじみ深い魔法学校の制服だ。


 いたずらっ子みたいに「ニッ」と歯を見せる正冠さん。


「今日は実地で特別実習や。シンクハーフ」

「……はい。……では皆さん。向こうに数十人のパヤジャッタ兵が見えますね?」


 ルリさまはじめ、生徒らが「はーい」と返事。人間もいれば人外種の子もいる。完全に魔物の形態をした子もいる。その子たちがシータン先生を取り囲んだ。


「では今から一斉に、【静止命令(ルタンサレト)】の魔法をかけてみましょう! はいっ!」


 ルタンサレト。


 それは、相手の動きを止める魔法!



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