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第4話 衝撃の事実 再び

「えっ、女の子だったの?」

「はぁ。別にいいですよーだ。どうせ、ぺったんこで間違われますぅ」


 驚きすぎて、心の声が漏れてしまった。その漏れた言葉でティルアは頬を膨らませてぷい、と顔をそらした。


 道理で先程、顔を赤らめたのか。同性ならと思っていたが異性だったのなら当たり前であろう。


「ごめん……」

「別にいいよ。それで、何が聞きたいの?」


 少しだけ怒ったように許してもらえた。言われなれているから、なのだろうか?


「ティルアさんは、大地人じゃ無い。ってことで良いのかな?」


 天空を統べる天帝。空を関連させる言葉が王に付くことは、大地人(こっち)ではあり得ないことである。


「えぇ、私は、私達は天空人よ」

 きっぱりとそう言った。きっと本当の事なのだろう。嘘を吐いている顔つきでは無かった。



「そっか、本当にいたんだ」


 感慨深かげに呟いた。


 父さんの本の中に一度だけ出てきた、天空人と出会った話。ちなみに発売された本の中には、その記述は抜き取られていたのだが作者である父さんの原稿にはしっかりと残っている。




「当たり前でしょ? あ、私も聞きたいことがあるの。いいでしょ?」

「もちろん」




「大地人の犯した罪って何? どうして、天空に住めなくなったの?」


 それは僕に驚きをまたも与えた。ずっと言われてきたのは天空人が罪を犯した、と言うこと。


 自分達、大地人が罪を犯したことになっているなんて知りもしなかった。天空での暮らしはよく分からないが、魔法とやらできっとここと同じように快適なのだろう。




「そんは話は初めて聞いたな。僕たちは天空人が罪を犯した、って聞かされてきたから」

「そうなんだ。なら、いいや。忘れて」


 落胆したような顔を一瞬だけした気がする。気のせいなのかもしれないが。





「ねぇ、ワガママなのは分かってる。だけど、この大地の世界を見て周りたいの。案内、してくれる?」

 こちらを見ながら断られるかもしれないと、ドキドキしたように僕を見ているティルアの顔を見て、不思議なことにスルリと出てきた言葉は、肯定だった。



「もちろんだよ。ちょうど明日からお祭りがあるんだ。だからさ、今日はもう寝ようか。あ、ティルアさんはさっきまで使ってたベッドで言いかな?」


 少し饒舌になってしまったが、そう言ってからティルアに背を向けた。なんだか気恥ずかしくて顔を見てられなかったからだ。


 だから、分かった、おやすみ。とだけ言って去っていたティルアが、どんな顔をしていたのか分からない。


 ソファーに横になって、月を眺めた時に少しだけ顔を見ていたら良かったかな? と後悔をしてしまった。

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