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最終話 世界樹へと

 ティルアが風呂に入っている間に、天空の岩に続く道を考えていた。どこに言ったら、行けるのか。


 考えながら図鑑を手に取った時に、運の悪いことにラジオが床に落ちた。ガガガッと鈍い音を立てた後に、最も重要な情報が流れてきた。


「えぇ。大変なことに世界樹と浮島が接触するそうです。これは、一週間後に起こると予想されている現象であり世界樹が成長しすぎたことが理由であるとされています。しかし、ほんの数センチ当たるだけなので、入場規制などは掛からないそうです。以上、クックルニュースでした」


「これだっ!」


 ようやく見つけた。これだ、世界樹に向かっていけばいい。そして、接触した時に乗り移れば行けるはずである。



「カズト君、どうしたの?」

「あ、ティルア! ようやく分かったよ! 君を家に返す方法が。明日から忙しくなるから覚悟していてね!」


 僕の熱意に押されたのか、じゃっかん顔を引きつらせて、分かった。今日はお休みとだけ言って僕の部屋に向かっていった。



 少しだけ、と思ってソファーに横になったらそのまま寝てしまっていたようだ。もう少しだけ日が登り始めていた。




 そんな時に考えてしまった。もしティルアを家に帰したら、僕はまた一人になってしまうのだろうか? ここでお別れになるのだろうか。なんだかそれは嫌だった。



 でも、ティルアが願っているのは家に帰ることであって、僕と居ることではないのは分かっている。分かってはいるのに、なんだかモヤモヤする。



 この体験したことの無いモヤモヤが堪らなく気持ち悪かった。どうすればいいのか分からなかった。




「でもまぁ、世界樹に向かうための準備をしますか! 長旅になるだろうからしっかりと準備しないとね」



 ここ、水の都 エルヴァから世界樹のある街まで行くのにはかなりの距離がある。列車が通っていると言っても、遠いのだ。


 だからこそ、着替えやらお金やらを持っていかないといけない。それに、本業の方も少しお休みを貰わないといけないな。



 よし、とりあえず張り紙を家の前に貼っておこう。本当は挨拶して回りたかったけど、時間に余裕がないし。



 あ、でも。昨日助けてくれた店主の所にだけは言ってこよう。昨日、借りた上着も返さないといけないし。




「じゃぁ、世界樹に向けて旅をはじめますかっ!」


 まだティルアは起きていない。だけど、少しでも早く行けるようにと荷物をひっそりとまとめ始めたのだった。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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