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キセキの魔法の蕾  作者: 月季
8/14

選ばれた理由①

昼休みなる度、驚愕の連続だった。




左みても右みてもどこ見ても、男子しかいない。





女子トイレや更衣室は一応設置されているが、男子用よりは断然に少ない。




センリくん曰く、私は野獣の中に放り込まれた子ウサギみたいな感じだから、慣れるまではしばらくは一人での行動は控えた方がいいと言われた。




それに対して、レイアンくんは「本当にセンリは世話係みたいだな。というか護衛?」などと言っていた。




センリくんはレイアンくんの言葉に否定して、「あくまでも女の子で心配だからだ」と言い切っていた。




*******

****




6限目のチャイムがなってすぐに構内放送が流れた。





《ただいまからグランドで全校集会を行います。魔術科の生徒全員グランドに集合してください》





(全校集会?)





「行こっか」




「う、うん」





グランドへセンリくん達と向かっているが。




(うわあ・・・・すっごい見られてる)





向う場所が全員が同じなので、さらに多くの男子が。




「・・・・っ」




何もされていないけど、こんなに多くの男性がこんなに多くいると、少し怖くなる。





「! えっどうした?」




その反動か、気がつくと前に歩いていたたセンリくんの服を軽く握っていた。




「えっあっご、ごめんなさい」




気がつき、ぱっと手を離す。




センリくんは私の変な様子に、前にいたのを私の横に移動する。




「!」




「どうした?」




「その」




胸のところで手を両手でぎゅっとする。



「男子いっぱいでなんか怖い・・・・」




「ああ、そうだったな」




センリくんは私が男性に免疫がなくて苦手にしている事言っているから、すぐに理解してくれた。




「大丈夫だよ、俺らの側にいたらいいよ」




そう、優しくほほえんでくれた。




「・・・・」



センリくんはどうして理事長さんから頼まれたとはいえ、こんなにも優しくしてくれるのだろう、不思議な人だ。




(男の子ってこんな感じなんだ・・・・でも違う気もするけど)





「ルノンちゃん!!」



「っ!?」



「ちょっ!?」



(な、何事!?)



グランドに入るといなや、背後から突然、誰かがのしかかるように抱きつく感覚を感じた。



「理事長!何してるんですか!?」



隣にいたセンリくんは慌てて、理事長さんに追い詰める。



「可愛い子がいたから~」



「はい!?ていうか、固まってますから」



私はというと、理事長さんの行動にどう反応したらいいのか分からず、いきなりの事で自然と体が硬直していた。



「ありゃあ?」



「ルノンは男に免疫なくて苦手なんですから、いきなりそんな事されて硬直しちゃってるんです!」



「あーそうだったの?あーずっと女子学院だったもんね、それも男性が一切いない」



ようやく話してくれて、硬直が解ける。



(ふう)



「理事長さんは、どうしてここに?」



「あー迎えに来たんだよ。今回の集会の目的は君だから」



「えっ私ですか?」



「さっおいで」



「えっえっ」



そして、手を引かれ誘拐如くのように連れて行かれる。





「あれ、ルノンは?」




「理事長に連れて行かれたよ」




「はあ?」







「・・・・・・・・」



(ああ、緊張した。あんな全体に)



軽い挨拶だけだったけど、終わる否やどっと疲れが襲ってきた。



多くの人に見られながら話す事って今までしなかったから、いきなりは緊張する。



「・・・・・・・・」




「特待生って言っても、普通の女の子だな」




「・・・・・・・・そうだね」




他の生徒の私への感想が聞こえてくる。



集会は単に私の紹介だけで終わった。



本当にその目的だけだった。



(まあ、普通ですよ、私は)




理事長さんが、センリくん達を連れてくると言って待っている間、他の生徒達からやたら見られていた。



「!」



(あれ、あの人)




帰っていく生徒の中、一瞬見知った人の顔が目に入った。




「気のせい?」



朝出会ったあの綺麗な男の子に似たような人が居たような気がしたけど、多分私の気のせいだろう。


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