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キセキの魔法の蕾  作者: 月季
6/14

私立フロンセンティア学園①

「さあ、ここが俺達の教室だよ」



【Ⅰーα】と書かれた教室の前で足を止める。




「ちょっと待てって、もう授業始まってるから」




「あ、うん」




そう言うとセンリくんはそっと戸を開け中に入っていく。



それから、すぐに扉が開きセンリくんが顔を覗かせる。



「どうぞ、入ってきて」



「うん」





センリくんが開けてくれている中を入るいなや教室を見渡すと、本当に男子ばかりで同時にその男子達も驚きの表情を向けていた。




(本当に男の子ばっかりだ)




授業中なので、廊下を歩いている生徒は居なかった為、男子しかいないという話しにいまいちピンと来なかったけど、いざ教室に入ると本当に男子ばかりで思わず体が竦む。



教卓近くまでやってくると、先生が声を掛けてくれる。




「えっと、私はここのクラスの担任のクルシュア・イザグールです。すいませんね、私が迎えに行くべきだったんですが」



「い、いえ」



グレーで短髪のヘアーに黒縁メガネではっきりした顔立ちに感じるが、雰囲気はどこか優しそうな装いに見える。



「では、自己紹介してもらえますか?」



「あ、はい!」



ばっと前の方を向き、全員が男性の姿に竦む感情を押さえて、口を開いた。



「えっと、ルノン=ルイ・シアータです。北地方のルクスアにあるセイントクラシィア女学院から来ました。・・・・よ、よろしくお願いします」




緊張のあまり変に声が裏返ってしまっている気がした。



すると、1人の男子が私に向けて言う。



「ルイ・シアータって【カイン=ルイ・シアータ】?」



(えっなんでパパの名前を?)




「それでは、授業を再開します。

あ、ルノンさんは隣の人に見せてもらってくださいね」




「あ、はい」




席に案内されて、私の紹介で中断されていていた授業が再開される。




(隣の人って)



そう言って、ちらっと横を見てみる。




私の席は廊下側の2列の1番後ろの席で、左側の席は今日は休みなのかいなく、右側の席には机にふっ倒れて寝ていた。




(寝てる・・・・)




「こらー起きなさいーネロー」




私が声を掛ける以前に先生が隣の席の寝てる子を注意する。




「うー?」




ぼーっとしながらゆっくりと起き上がる。




「転校生のルノンさんに、教科書見せてあげなさい」




「はーい・・・・」




ぼーっとしながらも席をくっつけて、教科書を見せてくれる。




(一応、自己紹介した方がいいかな)





「・・・・転校生?」




すると、その男の子は他の人に聞こえないように小声で話し掛けてくる。




「あ、うん」




私も同じように小声で話す。




「ルノン=ルイ・シアータです」




「そっか、俺はネロ・サシャイス。よろしく」




「よろしく」




ネロくんは少し可愛い雰囲気で笑うと猫ぽい感じで、薄めのグリーンの髪色にパープルの瞳がネロくんらしい穏やかな雰囲気が出ている男の子だった。





今回の授業は普通の一般教養で、前の学校と変わりはなく、ただ教科書とかが違う程度だ。




授業が終わるなり、突然、クラスの男子達が私の席へと集まってきた。



「!?」




いきなり来られて、思わず体全体が硬直する。




「カイン=ルイ・シアータの娘なのか?あの人結婚してたんだ?でも、今行方不明って聞いたけど」



「うわあー魔術科の中で女の子いるって新鮮!君、可愛いね~♪」



「特待生なんだ!すごいな、女子なのに!回復系以外で魔術使えるのすごいな。なっどんな力が得意?」



「あの女学院なんだ、あそこすっげー有名だよな?すっげー、お嬢様なんだ!」





そして、変な質問攻めがやって来た。




むしろ、変な興味を持たれている言葉が多かった。




それよりも、いきなり複数の男性が寄って来られて、どう対応したらいいのか分からない。




(どっどうしたらいいのーー!)



「ねえ・・・・そんなにいっきに話されると、答えるのも答えれないんじゃない?」




「!」



男子から囲まれ困っていたら、隣の席のネロくんが頬づえをつきながら、ぽそりと言ってきた。




「だな」



ネロくんの後ろには、いつの間にきていたのかセンリくんは扉近くの壁に持たれかかりながら立っていた。




「むしろ怖がっている気がするぞ」




さらに、センリくんのもっと後ろのロッカーに持たれている男の子が詰めかけている男子に言う。




3人の注意に私に詰めかけている男子達はそっと離れて距離を取ってくれた。




「・・・・・・・・えっと、ありがとう?」



「うん」



ネロ君たちにお礼を言うと、ネロくんはふわっと微笑んだ。







「よう」




ロッカーにもたれていた人が私に声を掛け近付いてくる。




「・・・・・・」




(ネロくんとセンリくんのお友達かな?)





ネイビーの髪色で顔の右側サイドの髪少し長めできりっと赤い瞳が印象的な少し俺様的な雰囲気。




「俺は、レイアン=ジェルス・カルド、よろしくな」



「あ、うん、よろしく」




「んー・・・・・・・・」




レイアンくんはなぜかじっと私を見つめてくる。



先程理事長さんも同じようにじっと見てきたような。



「あ、あの」



じっと見てくるレイアンくんに対してセンリくんが注意を施す。



「何やってんだ、お前は」




「んー俺が想像してた女子と違う」




(えっ)




「もう少し気の強い奴想像してたんだけどな~」




「お前、失礼だろ」




レイアンくんの言葉にセンリくんは注意する。




「俺はやだ、・・・優しいのがいい」




ネロくんは不満そうに言う。






「まあいいや。えっと、ルノンの世話係がセンリだっけ?」




(世話係?)




「単語に語弊を感じるぞ。いやまあ、頼まれてはいるけどさ」




「じゃあ、世話係なんだ」




「まあ、そうだろうな」





なんか、レイアンくんってグイグイ来る人だ。








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