不思議な出会い②
『おばあちゃん、ママとパパはどこに行っちゃったの?もう帰ってこないの?
あの、黒い人は誰なの?
悪い人?』
『ごめんね。ごめんね』
両親がなくなった時、おばあちゃんは泣きながら何度も何度も謝っていた。
その頃はまだ、あれが悪魔だという事は知らないでいたのだった。
ピピピ━━━━━
アラーム音で目が覚める。
「・・・・・・・・あれ・・・・・・・・夢?」
(そっか私)
昨日から、この学園に来たんだった。
朝におばあちゃん達がいないって変な感じだ。
パパとママ居なくなってずっとおばあちゃんが居てくれていたから、だから余計にあんな夢見ちゃったのかもしれない。
「着替えよ」
ベットから降りて、まだ予備としての私の制服へと手を伸ばした。
(制服、今日届くのかな)
洗面所で朝の準備をし終わったところで、扉の外からノックの音が聞こえ、同時ににセンリくんの声が聞こえてきた。
「ルノン、おはよう、起きてる?」
「!」
(センリくん?)
私は早足で扉に向い開ける。
【ガチャ】
「おはよう」
開けるとセンリくんの爽やかな笑顔が迎え、私も釣られて笑顔で挨拶をする。
「おはよう、センリくん」
「そろそろ朝食だけど、行ける?」
その言葉に軽く頷くと「そっか。じゃあ、いこっか」と促す。
「うん」
部屋を出ると、ネロくんとレイアンくんもちょうど居たようだ。
「よう、おはよう」
「おはよう、ルノン」
レイアンくんの明るい挨拶とネロくんのふわっとした反比例な挨拶が私に向けられる。
「おはよう、2人共」
「お腹すいた~」
ネロくんはお腹を抑えながらぼやっとぼやく。
「お前はいつも飯のことばかりだな」
他愛ない会話をしながら1階の食堂へと向かった。
「!」
食堂へ向かうと、入り口付近のテーブルでセシア先輩は1人で朝食を摂っていた。
「おはよう、セシア」
「おはよう・・・・」
センリくんの挨拶にセシア先輩は低い声で挨拶した。
「あれ、シーアは?」
「先に学校行った」
(シーア?)
多分、同じ寮の人なのだろう。
朝食を摂り、私はすぐに校舎へ向う準備にする。
「あれ、もう行くの?」
「う、うん。理事長さんに呼ばれてるから」
そうセンリくんに言い、私は寮をあとにしたのだった。