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キセキの魔法の蕾  作者: 月季
13/14

不思議な出会い①

「ルノンご飯食べよ、お腹空いたろ?」




センリくんはそう言って、私の手を掴む。




「・・・うん」




「センリくんってさっきからルノンちゃんの手握ってばっかりね」




席へ向かおうとしたら、ロレッタさんがまたにやけながらセンリくんに言う。




「うるさいですね」




そして、お約束通りまた言い合いが始まる。




「ある意味、あなたのルノンちゃんに対する行動って、セクハラに近いよね」




「誰がセクハラだ!護衛に近いのは当たってますけど」





「あら、世話係は否定するのに?」




「うっさい!


ところで、あいつ来てます?」



ロレッタさんに聞きながらセンリくんは食堂をキョロキョロと見渡す。



(あいつ?)




「ああ、セシアね。セシアなら・・・・あ、今来たわね」




ロレッタさんは出入り口に向けると、ちょうど入ってきた男子に目を配る。



「今、来たのかよ。

まあ、いいや・・・・言っといてください」




「はーい」



センリくんに言われ、ロレッタさんは今入ってきた男子に近寄った。





「ねえ、早く食べよ・・・・センリ」



ロレッタさんの姿を目で追っていると、お腹を空かせたネロくんが甘えるようにセンリくんに催促する。



「ああ、そうだな、ネロ」





食事へと席へ案内してくれる際、出入り口の方へと目を向けると━━━。




そこには、ロレッタさんと、1人の男子の姿が見えた。





(あの人・・・・)





朝、出会ったあの人だ・・・・・・・・。





ここの寮だったんだ。





「・・・・!」





一瞬、その人は私の方へ目を向け、目が合わさった気がしたのだった。




♢♢♢♢♢

♢♢♢




「ふう」



ようやく一日が終わる。




今日は色々ありすぎて疲れた。





それに、男子ばっかでこれからやっていけるかも心配だけど。





「でも、センリ君たちがいるから平気かな」







(・・・・)





寝に入ろうとしたら、少し違和感を感じる。




「トイレ」




部屋には洗面所の部屋はあるもののトイレは共同になっている。




でも、ちゃんと女子トイレも設置されている。




一応、寮も男女共用として作られているようだ。







「ふう」




トイレすごく綺麗だった。




なんか新品みたいな感じで凄かった。





「!?」





そして、



トイレから出てくるいなや、それは鉢合わせのように出会ったのだった。






「あれ、君」






それはあの男性だった━━━━。





繊細でいてとても透明な雰囲気を感じさせる、綺麗でなめらかな端麗な人。





「・・・・・・・・あ、あの」




声がうわづって上手くでない。





これは、この人が綺麗すぎて緊張しているからだろうか。





それとも━━━。






「あ、セシア!」




すると、センリくんが彼に声を掛けてきた。





「あれ、ルノン?」




「センリくん」




「ちょうどよかった、こいつ紹介するよ」




「う、うん」






センリくんがそう言うと、ふいに彼が「セシア・クラシアル」と言った。




「あ、言ってくれたか。

そう、2年のセシア・クラシアル」




「あ、えっと、ルノンー」




私も同じように名前を言おうとしたらーー。




彼は「知ってる。ルノン=ルイ・シアータでしょ」と言う。




「えっ」




「学校で紹介あったでしょ?」




「そうですね」





「・・・・うん」






「じゃあ、おやすみ、ルノン」




「うん、おやすみ」




センリくんは部屋にはまだ戻らず、他の場所へと向かった。






「戻らないの?」




センリくんが去った後、私はそのまま部屋戻ることなくじっと立ち尽くしていたら、彼が何気なく尋ねてくる。




「えっあ」




「?」




「ひ、昼間は、ありがとうございました」




「ああ、別に」




(ふ、不思議な雰囲気の人だな。

なんか掴めない人だ)





「そ、その、おやすみなさい」




「うん」




「・・・・」




何を話したらいいのか分からなくて、戻ろうと踵を返し部屋へと帰ろうとしたら━━。





「ねえ」





彼は静かに私を呼ぶ。





「はい?」





そして、静かに私へと近づき「別に敬語で話さなくてもいいよ」とそっとつぶやいた。





「えっ・・・・でも」




「それだけ」




そう言って、セシアせ・・・・彼は離れていった。






やはり、彼は不思議な人だった。





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