新しい生活①
「それじゃあ、今日はここまでかな。色々、話すべき事あるけど、今日はここまで。ねっ」
「あ、はい」
「あ、そうそう。明日の朝、理事長室来てもらえる?」
「はい」
「出来れば早めに」
「分かりました」
「それと、これが君の住む寮ね」
そう言って、何かの資料をわたされる。
「じゃあねー」
「あ、はい。失礼しました」
なんだかんだで、いつの間にか終わっていたのだった。
その割には、長い間居たようだ。
「えっとー」
理事長室を後にし、玄関へと向っていると。
「あらら~あなたが転校生ちゃん?」
派手めな雰囲気のあるお姉さんとも言いがたいミルクティー色の肩ほどまである髪を後ろでハーフアップさせ、オレンジ色の綺麗な瞳をさせた男の人?ぽい人が私に声を掛けてきた。
でも、制服は男子の制服来ているので、おそらく男性なのだろう。
(にしても、すごく綺麗な人)
朝出会った人とも、また違った綺麗さだ。
「そうよね?」
「は、はい。えっとあなたは・・・・?」
「ああ、ごめんなさい。あたしは3年のロレッタ=クラス・イルミアよ。センリくんに言われて迎えにきたの」
「センリくんが?」
「ええ。あなたカナリア寮でしょ?」
「えっ ああ、はい」
理事長さんからもらった資料の中には【カナリア寮】と書かれている資料がある。
多分、ここが私の住む寮だと思う。
「えっと、あなたもカナリア寮なんですか?」
「ええ、副寮長してるのよ。よろしくね」
「はい」
「ふふ♪」
不思議なオーラを感じる人だ。
でも、普通の男性とは気軽なく話せるのは気のせいではない。
センリくんは先に寮へと戻ったらしい。
私は寮までロレッタさんとで向かう事になった。
「センリくんがあなたを心配する理由何となくわかるわ」
「そうなんですか?」
「この学園はしっかりしているとはいえ、この科は男子しかいないんだから。
過保護のように心配になるのよね」
確かに、言われてみればそうかもしれない。
だから、なおさら世話係のような感じに間違われるのも致し方ないのだろう。
ただ、それが心配あまり過保護になりすぎているだけだろう。
「それに、あなたか弱そうだしね」
(か弱そう・・・・)
やはり、そう見えるのだろうか。
「あ、でも。特待生だから、強いのかしら」
「あ・・・・いや」
特待生として来たのだから、普通は特別かすごい力があるとか思うのだろけど、本当は何にもなくて魔術さえも使えない。
一応力はあるのだろうけど。
「あの、私・・・・」
期待をもたらしてものすごく言い難いけど、ここは正直に言うべきだろう。
「何?」
「私・・・・魔術、使えないんですよね」
私は少し目をそらしながらぽつりと本当の事をつぶやく。
「へっ」
その途端 ロレッタさんから何秒か間があいたのだった。
「そう、なの?」
「・・・・はい」
「あーーーそうだったのね」
「すいません」
ものすごく申し訳ないけど、でも、事実だから同仕様もない。
「・・・・・・・・普通の街みたいになってますね、道が」
寮へ向っていると、ふと気付くと道が町並みみたいな形になっている。
普通に公園があったりお店があったり、家とかはあまりないけど。
「一応、お店とかもあるのよ」
「そうなんですか?」
「教師も敷地内にある家に住んでるし」
「へえ」
すごい、徹底しているんだ。
「でも、服とかも売ってるけど、どれもダサいから、街に行かなきゃいけないけど」
「なるほど・・・・」
そういうものは、あまりないんだ。
あくまでも日常生活で必要な範囲って事なのか。
「さっ着いたわよ」
(わあ、すごく綺麗な建物)
その寮はまるでお屋敷みたいな造りの寮だった。