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プロローグ
あの時、見たあなたはまるで光り輝いていた。
魔法が掛かったように、幻想的でとても綺麗だった。
あの光が私の側で笑ってくれればどんなに良い事か。
あなたはいつも、無愛想でつまらなそうで、特定の人としか話そうとしない。
だけど、そんなあなただけど私はちゃんと知っている。
あなたは、とても優しい人だという事にーーー。
優しくて、無愛想だけどいつも助けてくれる、
そんなあなたが私は・・・・・・・・
大好きなんだーーーーーー。
大好きで大好きで、ずっと側に居たいって思っているんだ。
『ねえ、あなたは私の事、好きですかーーー?』
記憶というものは、哀しい。
一瞬でして、大事なものも家族も奪い去っていく。
あの日見た、私の瞳に映ったものは、赤くて黒い、オドオドしいものだった。
優しかったものも、穏やかだったものも、すべてが崩れた。
いや、正確には私の心が・・・・崩れた。
何もかもが、消えて無くなった。
無くなったんだーーーーー。