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百鬼夜行~恋歌~  作者: 稲葉白羽
1/1

始まりの鐘(1)

 初めまして、稲葉白羽イナバ ハクウです。

この度は【百鬼夜行~恋歌(レンカ)~】に興味を持ってくださり、ありがとうございます。


 百鬼夜行~恋歌~は、現世と隠世を舞台にあやかし達が繰り広げる、

愛と絆をテーマにした現代和風ファンタジーです。


 幕開けでは血生臭い内容から始まってしまったのですが、

この小説の『あやかし』は、いかにもおどろおどろしいそれではなく、

『主要キャラは美少年&美青年揃い』な乙女向けの内容となっています。


 ストーリーは、主人公緋真ヒサナの現在から始まり、

謎の開示、自身の宿命、過去の記憶などを交えながら展開していきます。

涙あり、笑いあり、ちょっぴり恐怖あり、

そしてドキドキ盛りだくさんの物語にしていきたいと思います。


また幕間では、主人公以外の視点が入ることもあります。

謎が多く、登場人物の行動や心情も複雑に絡み合ったりしますので、

別の視点を加え、より分かりやすく状況が伝えられるよう努力したいです。


 既に登場人物たちのキャラ設定や、諸々のエピソードは考えてあるのですが、

私自身どのキャラも大好きで、主人公の相手役を一人に絞るのに大変悩みました。

 最終的には、ゲームの分岐のようにif小説も書けたらいいなと思っていますが、

……さて本編を無事書き終えるまでは、どうなることか私にもわかりません。



それでは、これから始まる恋物語、

主人公と共に楽しんでいただけたら幸いです。



 ぼんやりとした視界に、広がる赤。

じわりじわりと、畳の縁にまで侵食していくそれは、まだ温かく、部屋中を鉄の匂いで充満させている。その中心では布団に横たわったままの少女が一人。まだ朧気だった目を見開けば、そこには自分を見下ろす女の姿があった。


 女の腹部には、深々と刀が突き刺さっている。しかし女は、顔を歪めながらも優しく穏やかな瞳で、ただ少女を見つめているのだった。

 女の衣には薄紅色の牡丹が描かれているのだが、それを見る間に真紅の花へと色づかせていく。苦痛に耐えているのだろうか。よく見れば、その手も足も、肩も、唇もガタガタと震えていた。

 それなのに女は一層穏やかな目で少女に微笑みかけると、その震える口を僅かに開き、いくつかの言葉を紡ぎはじめた。

 途切れ途切れの言葉で、はっきりと伝わらなかったのだろう。少女は怖々としながらも、ゆっくりと上半身を起こし、女の顔を見上げる。


 二人の視線が合った──次のことだった。女が少女の手を取り、自らの腹から勢いよく刀を引き抜いたのだ。いや、引き抜かせたと言うべきか。堰を切ったように、おびただしい赤が噴出ししぶきを上げる。少女の夜着や身体までも真っ赤に染め上げ、襖にまで飛び散り、描かれた松の木にたくさんの紅い実を実らせた。

 刀を抜くために勢いよく仰け反った女の身体は、そのまま振り子のようにして大きく傾く。その身体が後方へと倒れこむ瞬間、まるで金槌で打ちつけた硝子の破片が四方八方へと飛び散るように音を立て、消失していった。


 茫然と見開く少女の目に映るのは、一面の赤と、自らの手に握られた大きな刀だけだった。今までそこに居たはずの女の身体はもちろん、気配すらも感じない。ただ咽かえるほどの匂いの中、握った刀の刀身を伝う雫が一つ、また一つと鍔から零れ落ちると、畳の上にできた血だまりに小さな波紋を起こすのだった。


まただ──また私は、

この手であの人を殺めてしまった……。


 どこか遠くから鐘を打つ音が鳴り響く。少女の乱れ打つ心音とは逆に、規則的に、低く、そして厳かに──

すみません。始まりの鐘(1)は途中保存の段階で、まだ続きがあります。

近日中に書き終えたいと思います。


誤字や脱字などがありましたら、お教えいただけると助かります。

また、ブックマークやご感想、メッセージなども大歓迎です。

心よりお待ちしております。


2017年7月 稲葉白羽

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