83 ワンダーピープル(その8)
「このへんに高橋さんのお宅はありませんか?」
仕事が終わって家に帰るために会社から出て駅に向かう途中で道を聞かれました
女の人でした
髪の毛は美容院でやってもらったようにキッカリしています
来ている服もブランドものみたいです
ついでに靴も
私はどちらのブランドにも詳しくなくてよく判らないんですけどね
会社員ぽくないし、お水系でもないし、不思議な感じの人でした
「わたしは通勤のためにこの辺を通るだけなので、ちょっとわからないです」
正直に答えます
そうすると
「そうですか、すみません、今日は友達の家に遊びに行くんですけど、この辺はよくわからないんです、教えて貰った通りに道を歩いてきたんですけど・・・」
いきなり自分がどんなに困っているかを語り出しました
私は知らないって言っているんだから家を探すのに役立たないよ
困りましたね
「それでここから一度自分の家に帰るしかないんですけど、お財布の中にお金が入ってないんですよ、ついうっかりしちゃいましたー、友達の家に着けてたら友達からお金を借りることができたんですけど、ね?すそれですみませんが1000円くらいお金貰えませんか?」
クレクレでした
関わりたくないので
「すみませんが定期なのでお金は持ってないです、電車の時間がありますのでこれで失礼します」
そう言って逃げました
妖怪クレクレさんが見えなくなるほど離れた所で歩くスピードを普通に戻しました
はー、びっくりしました




