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364 灰色景色(その3)

「ありがとう、ありがとう!」


両手をガシッと掴まれ上下にブンブン振りまわされています


そして私を見知らぬ人達が囲んでいます




まるであのアニメの最終話のようだ


そう思った私は悪くない(はず)






加藤です


いきなり知らない女性に感謝をされて困惑している加藤です





そりゃそうです


昼休みにいきなり知らない人 ~いや同じ会社だから顔くらいは見たことがある人~ から感謝されていればそうなります





だれか状況を説明してください


とどこかのラノベのタイトルのようなことを考えるのも当然です


・・・完全に現実逃避しているとも言いますね





私は元彼氏に捨てられた上に、NTRまでされたので心がボロボロです


いや結婚するまでHしないということにしていたので身体がボロボロになるのは避けられました


偉いぞ私!


褒めてやりたいです




・・・まあだからといって傷だらけの心が癒される訳ではないんですけどね






「あんなロクでもない男と結婚しなくてよかったよ!」


「騙されていたことが判ってよかったね!」


「結婚した後に判ったら大変だったよね」


という会話が一人の女性を囲んで行われています





ちなみに私ではありません


みんなに良かったね!と言われている対象は目の前にいる顔は知っているけど名前を知らない人です





・・・私でも当てはまるのには笑うしかありませんね


だが私はボロボロで目の前の人はギリギリのところで救われたようです


理不尽を感じますね


ましてや助けたのが私


神様さくしゃの悪意を感じるのは気のせいでしょうか?





話を戻しましょう




「神を殺せ!」


と聖剣ごっこはいずれ機会があったらやってやりましょうと思います







どうやら目の前の彼女の人生が救われたようです


おめでとう?


どこかの最終回みたいに言えば良いのかな?、と思うのは私だけでしょうか?





こんな時どんな顔すればいいのか判らないわ


まさにこの時のためにある言葉ですね





「ありがとう!貴方のおかげよ!」


感謝娘@私命名 から感謝されました


話の内容からするとどうやら私が彼女を救ったようですが記憶にありません




き・お・く~・に・ご・ざ・い・ま~・せ・ん!


人生のうちで一度は声を大にして言ってみたいですね





大体私は息をするように人を救う鬼いちゃんではありません


いやこの時間軸ではキャリア警察官でしたっけ?




まあそんなわけで


「だが断る(意訳)」


と正直に言いました





好意は嬉しいです


ですが勘違いで好意をもたれるというのも、ね?


バレた時が怖いです





適当に言ってうまくいくのはネット小説の中だけですからね


ご都合主義というやつです


神様さくしゃは善悪のすべてを支配ていますからできることですね






特に女子の怨みは怖いですから最初から勘違いだとバラした方が良いです




そう思って正直に言ったら


「それはない」


と言われました




後輩からのリスペクトが凄い某先輩の気持ちがちょっと判りました




そんなに大層な人間ではないぞ?


言ってみたいけど言いません


ツッコミ入れてくれる人はいなさそうですからね





と言う訳で私が話についていけなくて困っているとひとみちゃんが解説をしてくれました





あれは1万年と2千年前、ではなく1週間と2日くらい前のことでした


私が会社を出て帰宅するためにフラフラと歩いていた時のことです




あまりにもゴーストが身体ぎたいから出過ぎているためひとみちゃんが途中まで付き添いについていたとのことでした




・・・説明されて今知りました


ひとみちゃんの親切が身に沁みますね





駅に行く途中でとひとみちゃんは隣の部署の女性社員と遭ったとのことでした


・・・まったく記憶にないです





「ひょっとして私のこと騙してません?」


思わず言いそうになりましたが言いませんでしたよ?


正直に言うことだけが正義ではありませんからね


空気を読むくらい私にもできます





あいまいに肯きました


そういうことがあったかもしれない  ←私


絶対に逢いましたよ  ←知らない人





・・・お互いに判りあえるまであと0079年くらい必要ですね





帰り道で出会った女子社員は結婚真近の彼氏と一緒でした


多分私は『リア充爆発しろ!』って思ったはずです


遭ったことを憶えていなくも判ります


絶対に思ったことでしょう





元彼氏くそやろうと同じ臭いがする」


私がボソッと言ったそうです




・・・記憶にないですね





大体、臭いってなんなんだ!?って言いたいです


どこかの寄生生物みたいに何でも臭いで片付けるのは如何なものかと思います


『悲しみの匂いがする』とかでもイミフでしたけど『人間のクズの臭いがする』とかもう何が言いたいのか?と胸倉掴んでガクガクさせたいです




一体どこのバカが言っているのでしょう


って私でしたね





過去の私、何やっていた!


盛大に文句を言いたいです






私がボソッと言ったのを聞き取ったひとみちゃんは次の日に伝えたそうです





いやダメでしょう!?


私は声を大にして言いたいです


個人情報保護法違反だ、と         ←違います





人間関係にひびが入るような台詞を伝えるな!と言いたいです


いや真面目な話です


会社の女性同士の世界の闇は深いですよ?


男性には伺い知れない程の濃さです




バラ色の人生が約束されている時に不吉な予告をしたりしたらいくら真実でもアウトです


明日から会社にこれなくなったらどう責任を取ってくれるのか!、と言いたいです


・・・自分の好嫌で判断しているかぎり女性の社会進出は遠いまもしれませんね





そう苦情を言ったら


「大丈夫、私にまかせて(意訳)」


と言われました




凄いですね


GTMにんげんへの感応機能が停止している私とは大違いです


思わず惚れてしまいそうです


私の心のチン○ンはもうビンビンですよ





まあ実際には大丈夫でした


っていうかすでに1万年と2千年前(嘘です)に伝え終わってました


後の祭りですべては終わっていた!というやつですね





さすがひとみちゃん


GTMにんげんへの感応能力がパないですね


異世界でなくてもチートがいました





そんなわけで有志による彼氏のストーカー、もとい尾行が開始されたそうです


・・・その情熱を仕事に費やしたら世界を獲れると思います





婚約者の彼女が


「明日は残業の予定だから彼氏のアパートに行けなさそう」


との撒き餌をしたそうです





・・・もはやどこにツッこんだら良いのか判りません


完全に別の話になっていますよね


神様さくしゃは番外編でも作るつもりなのでしょうか?





そしてまんまと引っ掛かった彼氏


二股相手と堂々とデートしたそうです




・・・よくクズだと判ったな、私、と言いたいです


いや間違っていなくよかった、ですかね


もしもここで彼氏さんが誠実な人だったら私の人生は絶対にまっ暗でしたよね


会社でイジメにあって




まあ私は予想?が合っていたよかったです


でも良くなかったのが彼女さん




彼女の苦労が目に浮かびます




大変なんですね


NTRの被害者って





相手の女からマウントされるは


周りからヒソヒソ話をされるは


女として何か欠陥があったのではないかと噂されるは


もう散々でした(涙)





それが彼女にも振りかかるとなると人事とは思えません


そりゃ某アニメの最終回のようになるのも頷けます




私も


「おめでとう!」


って拍手してもいいですかね?

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