338 全員まとめて倍返しだっ！（その2）～上司没落編～
「おねがいだっ！なんとかしてくれっ！」
いきなり知らない人からお願いされました
加藤です
姉さん、大変なことになりました、とナレーションを入れてみたい加藤です
・・・あれは名作でしたね
と思わず現実逃避した私は悪くない（はずです）
いえね彼氏が会社に復帰したし、もうウツウツの彼氏の世話をしなくてよいかと思うとルンルン気分（古い）で出社したんですよ
そうしたら席に付く早々見知らぬ人からお願いされました
会社内で顔を見かけたことはあるけど名前は知りません
まあ興味が無いと名前を憶えません
ＢＬに脳の容積の99.89％割り振っているんです
どうでもよいことは憶えないのも当然ですよね
「（彼氏の上司でしょうが！）」
隣の席のひとみちゃんが教えてくれました
ＢＬエロゲのサポートキャラのようだと思ったのは秘密です
話を聞くと ～聞きたくないけど上司が勝手にしゃべった～ 彼氏の部署は大変なことになっていました
簡単に言うと発注先が「あんなクズの上司に仕事を頼みたくない」と言っているそうです
また「それを黙認したクズもいらない」だとか
かわりに仕事に復帰した彼氏に「御祝儀がわりに発注してあげよう」だそうです
つまり
彼氏一強
です
営業なのにほとんどの顧客から嫌われる
その上、忙しくなった彼氏の手に余る発注は同業他社に依頼される
要はうちの会社は負け組（彼氏は除く）というわけですね
自業自得ですよね
それに発注先の外部の人間なんて私にはどうしようもありません
そう言うと上司はポカンとした顔をしました
すべてを仕組んだ悪女
私の二つ名だそうです
・・・昔のドラマのようですね
会社の名前を噂話で地に落とした
それだけでなく、業績まで悪化させた
すべての元凶にされていました
さあお前の罪を数えろ、と言われたら朝までかかりそうですね
じゃなくって冤罪です！
会社は仕事するところです
一番弱い私に責任を押しつけるなんてのはダメです
ノーモア冤罪！
私は声を大にして言いたいです
私のせいではない！
