29 着物クライシス(事後処理編3)
「謝罪するので被害届は取り下げてもらいたい」
いきなり言われました
どうも加藤です
災難続きの加藤です
またもや課長に会議室に向かうように言われました
入ると今度はスーツ姿の人が2人だけでした
吊るしあげではないようです
ほっとしました
でもそれなら誰なんだろう?
そう思っていると
「弁護士の矢野です」
と自己紹介がありました
ふんふん、例の窃盗の件ですか
とりあえず私の分だけでも穏便に済ませたいと
だから取り下げてくれと?
ふざけてますね?
嫌です!きっぱり断りました
そしたら隣の人が騒ぎ出しました
「ちょっとした出来心だ!こんなことで人生を棒に振る責任をとれるのか!」
とかなんとか
女狐の親でしたか
だから言いました
前から会社内で大勢でいじめられていた、と
その謝罪もなしに許すことはできない、と
「だったら謝罪する、取り下げてくれ!」
ばかにしてますね!
何度会社に行くのが嫌だと思ったことか!
思い出しただけで眠れなくなった夜が何日あると思っているのか!
食べ物がのどを通らなくて体重が落ちたこともある!
あなたの謝罪でそんなのが無くなると思っているのか?
これから眠れる夜が戻ってくるのか!
思わず叫んじゃいました!
そしたら「お金で・・・」
と言ってきました
最初は相場の「20万円」と言ってきました
そこで再度言います
貴方はそれを払うと夜眠れなくなるほど悔しい思いをするのか?
「それでは100万!」と言ってきたので再度同じことを言います
「あなたは眠れない・・・」
200万・・300万・・・・・・500万・・・・・・・・・1000万・・・・・・・・・2000万・・・・・・3000万
まあいいでしょう
でも手取りですよ?
税抜き、手数料抜きでお願いしますね
結果
貯金が0になり、家を売り払い、それでも足りないので祖父母の家まで売り払ったそうだ
ボロアパートに引っ越したそうだ
女狐が帰ってきた時の顔が見てみたいですね
でも過去のイジメ分の保障ですよ?
財布を盗んだ分の交渉はこれからですよ?
まだまだ楽しめそうですね(二ヤリ)




