110 御曹司来襲(その3)
「パンケーキ大盛りで!それと極甘のカフェオ―レ1つ!」
1階の喫茶店に行ってイスにドカッと座って、寄ってきたウエイターにオーダーしました
背もたれによっかかりながら、手をブランと垂らして、顔が真上向いた状態でオーダーです
疲れ果てたんですよ
やっちゃいました
まさにDQNです
DQN王に私はなる!、ですね
でもさすが一流ホテルの中の喫茶店
文句も言いません
すばらしい対応です
もっとも文句をいわれたら素直に謝るつもりでしたけど
「それと子供用のパンケーキとオレンジジュース1つ」
途中で拾った子供の分も注文します
自分一人食べるなんてことはできません
やったら日本の恥になりそうですから
「ああ、それからマネージャーと通訳を一つづつ」
そう言うと
「は?」
とウエイターが返事しました
あまりのムチャオーダーに思わず反応したみたいです
「その子、迷子よ?ここまで連れてきたんだから、後お願いね?」
そう言うと固まりました
多分、ですけどね
なぜか?
疲れてだらけていたんで見てないんですよ
セカセカ(日本人)歩きでどこかにすっ飛んで行くウエイター
でもオーダーだけは通してくれたみたいです
すぐにパンケーキが来ました
フルーツと生クリーム満載です
私はお腹がすいていたのでパンケーキをパクパク食べ始めます
男の子は席に座ったくらいに泣きやみましたが、パンケーキにもオレンジジュースにも手をつけません
韓国語で食べるってどういんでしたっけ?
私が知っている韓国語はオモニとチャングムとホジュンだけです(笑)
ここにはチャングムの主題歌を歌いながら、手を引き連れてきました
母国語の歌を聞いた男の子はビックとしましたが、どうやらイイ人らしいと感じてくれたみたいでグズグズ泣きながら付いてきてくれました
さすが大チャングム!
そこまでは順調だったのですが、会話が出来ないと「食べていいよ」すら伝えることができません
どうしようか困りましたが、強硬手段にうったえることにしました
男の子の前のパンケーキをナイフとフォークで切り分けて、生クリームを載せて口元に運びました
私が二コッと笑うと口を開けたので、突っ込みます
食べてくれました
自分の分を食べつつ、男の子にも食べさせます
しかし、私大丈夫でしょうかね?
いろいろとせちがない平成の今、後で訴えられそうで怖いです
ところで私を呼び出した課長は今どこで、何をしてるんでしょうね?