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良くある展開の恋愛ものを書こうとしたら途中で脱線してなんかおかしくなるあるあるを直球ど真ん中でどストライクした小説をお探しの方。ここにあります

作者: しゃけふね

よろしくお願いします┌(^o^≡^o^)┐


世界は彼を中心にして廻っている。


誰かが言った。たしかにその通りだと思う。実際、見た目は容姿端麗。成績優秀、何をやらせてもトップである。

名前を登坂豊(とさかみのり)と言った。


さきほど述べた通り登坂さんは何でもできる。それゆえめちゃくちゃモテる。毎年、バレンタインなんて靴箱に入らなくなったチョコが周りの男子にまで伝染し、自分宛だと勘違いした男子がチョコを食べてしまい、それを作った女子に殴られるという事件が勃発するほどである。実際俺もその被害者のひとりだ。

その他にも彼を一目見ようと下校時に他校の女子生徒が校門に溢れかえる。それも、毎日だ。正直騒がしい。

そんなモテモテでいつ爆発してもおかしくない登坂さんであるが最近好きな人ができたそうだ。

なんでも仲のいい友達にしか話していないらしい。噂は鰻登りで拡散され、そしてあるひとりの女子に目処がたった。

名を春野みさきと言う。

彼女は容姿端麗。勉強こそ普通なものの運動が得意で剣道の全国大会に出るほどの実力者である。これで、大半の女子が登坂さんの事を諦めた。

しかし、ここでまた事件が起こる。どうやら春野さんは他に好きな人がいるらしい。これで、大半の女子が復活した。

なんやかんやで波乱の世代と呼ばれたこの学年にも決着がつきそうである。登坂さんが行動に映るらしい。それを境に春野さんも好きな人に告白すると宣言した。

色めき立つ男子共と女子共。色めき立つ俺。

この波乱も最終局面に差し掛かろうとしている。

予定日は今日の昼食時間。ドンと来い!ばっちこい!


ガラガラガラガラ。教室の戸が開く。入ってきたのは……………………登坂さんであった。

男子共は崩れ落ちた。女子共はヘッドバンギングを始めた。

登坂さんが歩き始める。女子共は緊張した面持ちでヘッドバンギングをしている。

息を呑む音とヘッドバンギングで髪の毛が風を着る音しか耳に入らない。静寂……………………とは言いがたい空間が辺りを包む。

コツコツコツと靴音が近づいてくる。……………………ん?


「か、神凪(かみなぎ)くん!僕と付き合ってくださいっ!」


顔をあげれば真っ赤に顔を染めるイケメンと何が何だかわからないがとりあえずただ事じゃねぇ!と口をあんぐり開けたクラスメイトが目に入る。

………………は?

いや、いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!

ちょい待ち。実は俺女の子でした、みたいなオチじゃないぞ?ちゃんとㄘんㄘんついてるからな。いま確かめた。

クラスメイトと顔を合わせる。


「「「「「「「「「え、えええええええええええええええッ!」」」」」」」」」


絶叫が教室どころか見物している他クラスの生徒まで伝染した。

いや、たしかに目の前にいるこのイケメンは童顔でぱっと見ればボーイッシュな女の子に見えなくもないが紛れもなく男だろう。プールの時も上半身脱いでたしちゃんとペッタンコだった。



ガラガラガラ。またもや教室の戸が開く。皆が空気読めとその

闖入者を睨むがすぐ愕然とした顔に戻る。

そこに居たのは春野さんだった。

もしかしてという疑惑がみんなの心の中に芽生える。


「か、神凪くん、私と付き合ってくださいッ!」


これなんてデジャヴ?物凄い既視感に戸惑いが隠せない。やばい、もう何が何だかわからないや。ほら、登坂さんも春野さん睨んでるや。

春野さんも登坂さんの視線に気づいたのか不快感をあらわにして言った。


「君は…………登坂くんだね。私に何のようだい?」

「いやぁ、まさか春野さんとタイプが一緒だなんて驚いたや」

「ほぅ?つまりそういう事か?」

「うん、そういうこと」


そしてお互い笑顔でにらみ合いながら火花を散らす。

幾分が不穏な空気だったが不意にこちらを振り向く。


「ねぇ、もちろん僕のことを選んでくれるよね?」

「いや、君男じゃん……」


つい声に出してツッコンでしまう。しかし、登坂さんは一回驚いた顔をしたあと笑い始めた。


「そうだね、そうだった。僕はこの学校では男だったんだ!」


一人笑い転げる登坂さん。そして落ち着きを取り戻してからもう一度口を開いた。


「僕ね、女なんだ。いやぁ、プールの時は焦ったけど意外とバレないもんだね。貧乳って便利!」


そう言う登坂さんはまだ笑っていた。男子達は一瞬驚いた顔をしていたがしばらくして登坂さんの裸を思い出したのか「あれおっぱいだったのか」「いいピンク色だった」などと顔を赤くしていた。たしかにいいピンクだった。


じゃなくて!


登坂さんのおっぱい思い出してたら肝心の本題を忘れるところだった。

正直申しますと俺には決められません。いや、だってどっちも可愛いんだよ!?幼稚園以来おままごとで夫役になった時に一言愛してるって言われたくらいしか恋愛経験ないんだからな!

………………いや、これ恋愛経験とは言わねぇな。

とにかく無理だ、俺には決められん!


「ねぇ、どうするの?」


甘美なる声が耳元で囁いてくる。少しブルッたよ!


「早く決めてよ」


ふたつの自己主張の激しいメロンが目の前で踊っている。てか、揺れすぎ。俺の息子がハイになるからやめて!マジやめて!


「「ねぇ、早く…………」」


壁際まで追い詰められる。ひ、ヒィィ…………。

多分この時の俺は混乱していたんだと思う。何をとち狂ったか俺は窓を開けた。

ハハッ、俺には決めれないわ、逃げよう。混乱している頭でなんとか答えを導き出した俺はふと気づいた。教室の扉の方には登坂さんと春野さんがいる。つまり残る逃げ道はただ一つ。


俺は教室の窓枠に手をかける。


誰かが叫んだ。


ここは四階だと。


俺は構わずに前を見つめる…………。


不思議と恐怖感はない。


誰かが俺を止めようとした。


だが、遅い。それは残像だ。


さぁ、行くぞ!アイキャン…………ーー


「ーーフルゥァァァァァァァアアアイイィッッ!!」




□■□■□■□■□■□■□


足首と膝関節を複雑骨折。全治半年(リハビリ込み)

俺は気づいた。正真正銘のアホなんだと。

だが、まぁ、いいや。骨折したお陰で美少女2人とイチャイチャしながらリハビリできるし。

暖房の効いた病院の部屋の中、美少女に囲まれ煩悩や痛みと戦いながらそう思った。

ただ、痛みが8割であるが…………(笑)

ありがとうございました┌(^o^┐)┐

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