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飛んで火にいる夏の虫 その行く先に何を見る 3

おまたせしました。肝試し編本編の続きを投稿します!


それでは、ごゆっくりどうぞ!

 よう、読者の皆、元気にしてるか?この話の隠れた主役こと、浅倉圭吾だ。

俺は今、単独でこの暗くて薄汚い病院の中を歩き回っている。


 

 ちなみに言うと他の二組が1階を探してるのに対して俺は一人で地下1階の調査を進めているところだ。調べていて分かったが、ここの地下はそんなに広くない。俺一人でも十分に各部屋を回れそうなくらいだ。



 ほら、そう考えたら孝幸ペアと和弥ペアにやたら広い1階を探してもらった方が効率いいだろ?

俺がここで何かを見つければ俺一人の手柄になるし、もし何も無くても俺がここを調べきる頃には1階の調査も終わってるだろう。

俺はポジティブなんだ。断じて怖いわけじゃないぞ…。





浅倉「くそ、それにしても何もねぇな。」



よくあるホラーゲームだと何かしら役に立ちそうなアイテムの一つもあるもんだが…。

ゲームと違って壁掛けの絵の裏に実は何かのスイッチがありました!…なんて事ももちろんない。



一応調べてはいるが。





浅倉「次は売店でも調べるか?それとも先に手術室を…いや、ここは展開的にまだだな」


だって鍵かかってるし。



俺は仕方なく売店の方向に向かおうとした。



その時…








浅倉「…なんだあれ?」







暗くてよく見えないが、間違いなくこの先に何かがいる









それはゆっくりと、ゆっくりとこちらに近づいてきているようだ





さすがの浅倉も何かを感じ取る






浅倉「おい…これはヤバいイベントなんじゃねぇか?」



ひたいから嫌な汗が流れるのを感じ、じりじりと様子をうかがいながら後ずさる。

向こうはかわらず、ゆっくりと近寄ってきている。



これなら走れば十分逃げ切れる…どうする?





すぐ左の手術室は鍵がかかっている、前方には何かがいて、後ろに進めば先ほど調べた喫茶店と物置のみ…

右に進むと長い廊下があり、その先にはここにくる時に使った階段がある。





走りながら携帯で皆に連絡してここから脱出するか…?











浅倉(よし!右だ!)







浅倉「…………!!!!!!」ガシャーン





浅倉が一瞬目を離したそのとき










   “それ”はもう    めのまえにいた

 





浅倉「あ…——————————
















~~~廃病院1Fエントランスホール~~~



孝幸「和弥、箱は見つかったか?」




和弥「いんや、これだけだ。」チャラッ




梨本「鍵…?」




西澤「さっき調べた病室に落ちてたの、どこの鍵かは分からないけど…。そっちは?」




孝幸「ああ、こんな紙切れを見つけたぞ」さっ


梨本「…何かの暗号かも。私たちじゃ分からなかったけど。……読める?」




俺は先ほど見つけたその紙を和弥たちに手渡した


西澤「うわっ、なにこれ。きったない字…」


和弥「………『子を授かるなら伴侶を探せ』…だってよ」






3人「「「読めるの(か)!!??」」」



和弥「おお、見事に揃ったな。打ち合わせでもしたのか?っつーか、これは間違いなく兄貴の字だ」



西澤「もう汚いなんてレベルじゃないわね…」



梨本「お兄さんはどこの星の人?……冥王星?」



孝幸「それよりもヒントの意味がよく分からんな。必要な物をを見つけるための何かを探せばいいんだろうが…」





和弥「…伴侶、か」



西澤「あ…!」




孝幸「どうしたんだ?」



梨本「思い当たる物…あった?」



西澤「ご、ごめん。そうじゃなくて…」




和弥「あー、その…便所なら向こうn…西澤「違う!!!」




梨本「なら…何?」




西澤「浅倉よ、浅倉!あのバカまだ戻ってきてないの!?」



孝幸「あ…そういえば」



和弥「居ねぇな…」



梨本「………………。」




俺たちはここに来た時にこの病院の避難経路図を確認していた。


地下1階は他の階に比べるとそこまで広くはなく、浅倉一人でもそう時間がかかることなく調査を終わらせて戻ってこれるだろうと踏んで、彼にそこを調べるのを任せたのだ。




単独で動くなら2人で行動するよりは自由がきくし、よほど不意をつかれたりしない限りは危険なものに出会でくわしたとしても即座に逃げることが出来る…と考えての上である。



念のため、浅倉には一時間経っても調査が終わらなければ、俺たちの誰かに連絡をするようには言っておいたのだが…。

自分の携帯を確認してみたが、広告メールが2件ほど来ているだけで浅倉からの連絡は無かった





和弥「もう一時間は過ぎてるぞ、孝幸。連絡きたか?」



孝幸「いや…。二人は?」



梨本「…………」ふるふる


西澤「いえ、何も…《ピロリロン ピロリロン》あ…、ちょうど来たみたい。もしもし?」


西澤「…ヒッ!?な、何?」



和弥「なんだ、どうした!?」





西澤「あ、浅倉からの着信なんだけど、あいつの声じゃないわ…。もっと低くて、少ししわがれた感じの…。なにか喚いていたわ」



孝幸「…貸してくれ!俺が話す!」バッ!






孝幸「おい!おまえ誰だ!?その携帯の持ち主はどうした!?」















さとり【やっと繋がりおったか!この手ではボタンが押しにくくて適わん!!…む?その声は孝幸か?お主ら今どこにおる!?】



瞬間、聞き慣れた友人の声が聞こえてきた。




いや、むしろおまえがどこに居たんだ。…とツッコむのを我慢して浅倉の事に頭を切り替える

妙な安心感を覚えると共に嫌な不安感が同時に襲ってきた。




孝幸「俺たちは1階のホールにいる!そこに浅倉って男は居ないか!?」



さとり【今は我が輩だけだ!この携帯一つここに落ちておった!とにかくお主らすぐに降りてこい!!】ぶつっ!




携帯を西澤に押し付ける、どうやら時間をかけるのは良くなさそうだ

…仕方ない。




西澤「ねぇ、今の知ってる人…?浅倉はどうしたの!?」



孝幸「もしかしたらヤバい状況かもしれない!!和弥!!」




和弥「ん?」



孝幸「お前昔、俺にこう言ったよな?『可能性の話で考えれば、どんな事が起こっても不思議ではない』って」



和弥「ああ、確かに。」



孝幸「今から俺の“友人”と合流する、ただそいつは間違いなく俺たちの味方だ!」



和弥「今は俺を信じてついてきてくれ!………だろ?」





孝幸「………!」




和弥「孝幸、すこし落ち着けって。どのくらいヤバいのかは分からんが、俺はここに来た時からどんな状況にも対応する気で来てんだぜ」



梨本「わたしも。場所が場所だし…。」



西澤「もう今更そんな事!?いいからさっさと行くのよ!!幽霊だろうがなんだろうが蹴り潰してやるわ!」






孝幸「…ははっ」






思わず笑ってしまう。俺はどうやら、こいつらをみくびっていたらしい。



かなり物騒な事を言っている子もいるが、今は逆に頼もしい。そういえば彼女は女子サッカー部のエースだったな。

本気で蹴られたらかなり痛そうだ。








孝幸「よし、行くか」



おかげで少し気が軽くなった。

修羅の如き形相で先陣をきって階段へ向かう彼女に続いて、俺たちは地下へと降りていった—————


今回はここまでに…。予定ではサブタイトルに“5”がつくあたりで肝試し編が終わるのではないかと思います。長々と書いていますが、今しばらくお付き合いください。

それではまたお会いしましょう!



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