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妖怪猫との奇妙な出逢い 2

その日は暑かった.

学校が夏休みに入って一週間ほど経った日のまっ昼間


俺は唯一の聖域とも呼べる自分の部屋から抜け出して散歩している所だった


別に好きで家に居るわけではないが、真夏でも外で走り回っていた小学生の頃とは違う。

無目的に外に出ても退屈で仕方がない


この暑い中、散歩になんて出た理由は単純なもんだ

部屋のクーラーがぶっ壊れ、その上飼っている犬はやたらとじゃれついてきて暑苦しい事この上ない。終いには母親からこんな一言





母「引きこもってゲームばかりしてないでたまには外で遊んで来なさい!」








友人達は折角の夏休みにもなってもやれ塾だの

部活だので皆忙しいみたいだ




…まぁ俺みたいに四六時中しろくじちゅう暇を持て余してぶらぶらしてる奴よりはあいつらの方が建設的な時間を過ごしているんだろうが



孝幸「はぁ、なんか楽しい事はないもんかねー…」



そう呟いた矢先に、誰かの話し声が耳に入ってきた

声の方向に顔を向けるとそこには

 



「しかし昼寝でもしたくなるような暖かさだ

このまま一眠りするのもいいかもしれない」




孝幸(……………猫?いかんいかん、いくら蒸し暑い上に退屈な休日だからって昼間から幻覚を見てるようじゃ駄目だろ、俺。少し休みボケしてんのかな。明日から早朝にジョギングでもしてみるか。よしそうだ。さっきのは空耳に違いない)



いたって自然な考えに落ち着いて俺は帰路きろにつこうとした




猫「そう思っていた最中、我が輩の目の前に一人の男g…」


…訂正、帰れなかった

やっぱり声の主はこいつだ




孝幸「おいちょっと待て」───────────────




その時はたまらず声に出して言ってしまった

正直今思い返せばかなりシュールな図なんだろうと思う




しかし今となってはこうも思う

もしこの日にいつも通り家に居たら、俺は何も変わらない平均で退屈な日々を送り続けていたのかも、…ってな



そんな嘘臭い奇妙な出来事ではあったが







それは間違いなくひとつの運命とも呼べる俺と“奴”の出逢いだった────────

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