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妖怪猫との奇妙な出逢い
「─────穏やかな風が吹いている
空は見渡す限り澄みきっていて、雲はすっかり顔を潜めているようだ
民家の塀の背丈を悠に越えてそびえ立つ木々の木漏れ日を浴びながら今日という日はどんな事がが起こるのかと思いを馳せる
しかし昼寝でもしたくなるような暖かさだ
このまま一眠りするのもいいかもしれない…」
猫「なんて考えている最中、我が輩の目の前に一人の男g…」
男「おいちょっと待て」
猫「なんだ、小僧。人が折角“なれーしょん”してやっているところを邪魔しおって」
男「お前人じゃねぇだろ!?」
猫「やれやれ小煩い奴だ。それで、我が輩に何か用かな。北条孝幸くん(17)」
孝幸(こいつ何で俺の名前を…ハッ、まさか俺の事を知っている?しかしこいつはどう見てもただの野良猫だ。それに何で喋れるんだ?)
猫「その答えは…まぁお前に言っても信じてもらえるか分からんが…」
孝幸「?」
猫「我が輩は覚り妖怪である」─────────────